世界最大級のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエイツ(Bridgewater Associates)が、同社初となる暗号資産ファンドのサポートを進めている。
ブリッジウォーターは、外部の投資ファンドをサポートする準備を進めていると2人の関係者が語った。そのうちの1人によると、暗号資産に直接投資する計画は今のところはないという。
これは現在、1500億ドル(約18兆円)の運用資産残高(AUM)を誇るブリッジウォーターが、暗号資産を資産クラスとして真剣に捉えていることを示す、これまでで最も明確なサインだ。ちなみに創業者のレイ・ダリオ(Ray Dalio)氏は2021年5月に個人的なビットコイン(BTC)投資を明らかにしている。
とはいえ、規模は同社の運用資産残高と比べると、きわめて小さいと1人は語った。そして複数の著名投資家がこのファンドへの投資を検討中と述べた。
先月、我々が取材した際にブリッジウォーターの広報担当者は、現在、暗号資産に投資する計画はないと語っていた。だが4人の関係者が、ブリッジウォーターは2022年半ばまでに暗号資産に参入する計画と述べていた。
「我々はポジションについてはコメントしないが、ブリッジウォーターは暗号資産を積極的にリサーチし続けている。だが現在、暗号資産に投資する計画はないと言える」と広報担当者は2月22日、メールで回答している。ブリッジウォーターは1月、機関投資家の暗号資産をめぐる動向に関するレポートを発行した。
我々はブリッジウォーターに取材を申し込んでいるが、まだ返答はない。
ブリッジウォーターは1975年、ハーバード・ビジネス・スクールを卒業したダリオ氏がマンハッタンの2LDKからスタートさせた。当代最高の投資家の1人と呼ばれるダリオ氏は、個人的なビットコイン投資を明らかにしており、ビットコインを「途方もない発明品」と呼んでいる。
ブリッジウォーターは、イギリスのヘッジファンド、マーシャル・ウェイス(Marshall Wace)と似た方法を取っており、ポイント72(Point72)、ブレバン・ハワード(Brevan Howard)とともに暗号資産ファンドを立ち上げると報じられていた。
複数の情報筋が提携について伝えていたが、CoinDeskが話を聞いた人たちはブリッジウォーターの今後の予定について語っていた。
「ブリッジウォーターは今年上半期に参入する計画だ。規模は小さいが資金を暗号資産に直接展開することを計画している」とある人物は2月に語った。
別の人物は「ブリッジウォーターは、流動性、サービスプロバイダーなどを真剣に検討している」と述べていた。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:レイ・ダリオ氏(Bridgewater)
|原文:Ray Dalio’s Bridgewater Investing in Crypto Fund: Sources