暗号資産(仮想通貨)はまだ初期ステージだが、大手フィンテック企業の経営陣は、決済手段としてはビットコイン(BTC)よりも、ステーブルコインと中央銀行デジタル通貨(CBDC)の方が「洗練されている」と考えているようだ。金融サービス企業コーウェン(Cowen)のレポートで明らかになった。
ペイパル(Paypal)のテクニカルフェロー兼ブロックチェーン・暗号資産・デジタル通貨担当最高技術責任者のエドウィン青木氏と同部門のシニア・バイスプレジデントのホセ・フェルナンデス・ダ・ポンテ(Jose Fernandez da Ponte)氏は、ペイパルは当面の間、独自プロダクトを発表するのではなく、暗号資産エコシステムの中でビジネスを行うとコーウェンに語った。
ペイパルは、さまざまな種類のデジタル資産とトークン──ステーブルコインとCBDCを含め──には利用の余地があるが、分散型暗号資産(つまり、ビットコイン)には、一部はスケーラビリティ問題のためにうまくいかない可能性があると考えているという。
ビザ(Visa)の最高財務責任者バサント・プラブー(Vasant Prabhu)氏は、同社のデジタル通貨に対する熱意と、暗号資産と法定通貨のブリッジになるという目標を改めて強調した。ペイパルの幹部と同様にプラブー氏は、ビットコインはボラティリティとスピードの問題から、決済には「限界」があるとコーウェンに述べている。
マネージングディレクターのジョージ・ミハロス(George Mihalos)氏が率いるコーウェンのチームは、決済媒体としてのビットコインについて「ステーブルコインとCBDCが提供する優れたソリューションよりも、はるかに洗練さに劣るアプローチ」と結論づけた。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
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|原文:Fintechs See Strongest Payments Challenge From Stablecoins and CBDCs, Not Bitcoin: Cowen