2022年第1四半期(1-3月期)は、終了直前まであまり動きがなかった。2月から3月最終週の直前まで、ビットコイン(BTC)は3万7500ドル〜4万2500ドルのレンジ相場となっていた。マクロ状況を考えると、驚くべきことだ。ロシアがウクライナに侵攻し、米連邦準備理事会(FRB)は少なくとも6回の利上げを発表し、アメリカとヨーロッパでは規制面でさまざまな動きが進行していた。
この時期のビットコインは、他の資産の動きと比べると、ますます驚くべきことだった。2月1日から3月14日の間に、S&P500は8%下落し、長期国債(20年物)は7%下落した。債券市場は荒れ、原油やニッケルなどのコモディティ価格は急騰した。
一方、ビットコインは本当に何もなかった。3月最終週までは。
3月25日、ビットコインは4万4000ドルで週末を迎えたが、28日に突然、4万8000ドルまで上昇した。この上昇は、Luna Foundation Guard(LFG)がステーブルコイン「terraUSD(UST)」の裏付け資産として最大100億ドル相当のビットコイン購入を計画していることが一因となった。
ビットコイン価格がようやく上昇傾向となるなか、ビットコインオプション市場では3月24日、建玉が年初からの最高水準の98億ドルとなった。この日、30億ドル以上が期日を迎えたが、その後、13億ドル以上が加わり、比較的早い回復を示した。
イーサリアム(ETH)も順調に推移した。むしろ市場ではイーサリアムの方が好まれ、イーサリアムは2月1日以降、23%上昇した(ビットコインは18%)。
イーサリアムの上昇要因は3月14日、テストネット「Kiln」でプルーフ・オブ・ステーク(PoS)に移行するための大型アップデート「The Merge」に成功したこと。2015年から進められてきたPoSへの移行作業が最終段階を迎えたことを示した。
イーサリアムのもう1つのトピックスは、ビットコイン価格に対するイーサリアム価格の比率(ETH/BTC)が反転し始めたことだ。ETH/BTCは2021年、0.024から0.087まで順調に上昇していたが、1月4日から3月14日までに0.083から0.065まで下落。だがその後、0.073まで回復している。
ビットコインのドミナンス(暗号資産全体の時価総額に対するビットコインの時価総額の比率)も見てみよう。不確実性の高い時代には、ビットコインのドミナンスが上昇する傾向があり、2022年に入ってからはそれが顕著に表れている。暗号資産にとっては、奇妙で厳しい四半期となった。
第2四半期にむけて
第2四半期の動きを見据えるために、Glassnodeが発表した詳細な(そして難解な)グラフを見てみよう。名称は「Bitcoin: Realized Cap HODL Waves (Coins > 1yr)」。
HODL Wavesは、ビットコインを保有期間によって区別したもの(例えば、2年間保有されたビットコインは、2〜3年のHODL Waveとなる)。そして、HODL Waveをビットコインが最後に取り引きされた価格「Realized Price」と比較すると、ビットコインの価値を分析できる。1年未満のビットコインを除外すると、興味深いグラフとなる。
グラフを見ると、弱気相場は2段階に分かれていると考えることができ、第1段階では1年以上保有されているビットコインの割合は低くなる。第2段階では、長期保有者の買い集めが進む。今は弱気相場の第1段階から第2段階への転換点かもしれない。
最後に、過去を振り返ると、ビットコインは4月に良好なパフォーマンスを示し、平均上昇率は約17%となっている。もしかすると、残り期間で弱気相場を回復できるのかもしれない。もちろん、過去の出来事は未来を表すものではない。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Glassnode
|原文:Now That Q1 Is Over, Is the Bull Market Back?