イーサリアム(Ethereum)ブロックチェーンのガス使用量は3月、DeFi分析会社HashExによると2月から13%増加した。イーサリアムブロックチェーンの需要の高まりは、暗号資産イーサリアム(ETH)を3月、3500ドル以上に押し上げる一因となったと見られている。
こうした需要の一部は、イーサリアムブロックチェーンと互換性を持った「ERC-20トークン」、つまりレイヤー2アプリケーションによるものとHashExは述べた。
価格とともに高まるガス需要
ガス使用量の増加に伴い、イーサリアム価格は3月、3500ドルを超え、2月の2300ドル~3200ドルのレンジを突破した。ビットコイン(BTC)の上昇と、テストネットでのプルーフ・オブ・ステーク(PoS)への移行成功も価格上昇の要因となったようだ。
一部のアナリストは、ガス使用量の増加は、イーサリアム価格にかかわらず、根本的にポジティブな兆候と指摘した。暗号資産取引所Bitrueの最高マーケティング責任者、アダム・オニール(Adam O’Neill)氏は「市場は弱気トレンドになりつつあるが、イーサリアムブロックチェーンへの高い需要を証明している」と述べた。
暗号資産取引所KuCoinのCEO、ジョニー・リュー(Johnny Lyu氏)も同意見だ。「ガス需要は、イーサリアムブロックチェーンの適用範囲の拡大とともに成長し、暗号資産イーサリアムの需要も増加させるだろう」と語った。
需要増は、ERC-20トークンの発行増も要因となっている。ERC-20トークンは、2月から約125%増となった。つまり、Avalanche Contract Chain(C-Chain)、Fantom Opera、Polygonなどのイーサリアム互換ブロックチェーン、いわゆるレイヤー2の人気が需要増に貢献した。
HashExの創業者、デミトリー・ミシュニン(Dmitry Mishunin氏は「新しいイーサリアム互換チェーンが数多く生まれている。イーサリアムのガス代が高いため、ユーザーが互換チェーンに引き寄せられ、その結果、イーサリアムブロックチェーンのユーザー数は減少し、ガス代も低下している」と述べた。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:TradingView
|原文:Ethereum Gas Usage Rose in March as Ether Ran to $3.5K