ポルカドットのトークン、先物として75ドルでプレローンチ

仮想通貨ヘッジファンド、ポリチェーン・キャピタル(Polychain Capital)と投資家のロジャー・バー(Roger Ver)氏から支援を受ける、仮想通貨先物取引所コインフレックス(CoinFLEX)は今週、同社初のイニシャル・フューチャーズ・オファリング(Initial Futures Offering=IFO)をローンチする。

「まだ実在していないコインのための先物市場を作ったのは、今回が初めてです」と、コインフレックスのCEO、マーク・ラム(Mark Lamb)氏はCoinDeskに語った。「これは、アセットが存在する前に価格決定をするものです」

ポルカドット(Polkadot)のトークン、ドット(DOT)がコインフレックスの主力IFOとなることも特筆に値する。ポルカドットはイーサリアムの共同創業者ギャビン・ウッド(Gavin Wood)氏が中心となって進める、ウェブ3財団(Web3 Foundation)の主要なプロジェクトだ。

コインフレックスはビットコインとイーサリアムを含む4つの先物契約を伴って2019年4月にローンチされた。同社は7月の初めに、フレックス(FLEX)と呼ばれるネイティブトークンも打ち出している。

2019年7月17日(現地時間)に実施されるポルカドットのIFOは、参加者にFLEXの購入を必要とする初めてのセールとなる。世界最大の仮想通貨取引所バイナンス(Binance)のイニシャル・エクスチェンジ・オファリング(IEO)を参考としており、最大で300人のFLEX保有者が1DOT当たり75ドル(約8100円)で「割引価格の」契約を購入可能となる。

匿名を条件に取材に応じたある投資家は、CoinDeskの取材に対し、トークン自体がまだローンチしていないため、この価格はDOT契約のOTC取引(相対取引)価格と概ね一致していると語った。ポルカドットの生みの親、ギャビン・ウッド氏が設定した12億ドル(約1300億円)の目標評価額を達成するには、トークンの価格が最終的に100ドルを超える必要がある。この新しいエコシステムを構築している、ウッド氏のウェブ3財団およびパリティ・テクノロジーズ(Parity Technologies)は、この記事へのコメントを拒否した。

ラム氏は、これら先物契約のマーケットメーカーの具体的な名を挙げることを拒んだが、 「何百万ドル」相当のDOTを投じる可能性のあるアジアの投資家がいることを明かした。CoinDeskが以前報じたが、中国企業3社が1500万ドル(約16億2100万円)相当のDOTを購入している。

「プレセールで購入するためには1000FLEXをロックアップする必要があります」とラム氏は述べ、IFO契約はトークンローンチの4週間後に満期を迎えるとした。「メインネットのローンチがいつになるのか分からないため、(IFO契約の)満期がいつになるかは分かりません」

FLEXは、バイナンスのネイティブトークン、バイナンスコイン(BNB)と同様に、取引手数料の支払いや今回のIFOのような独占的な機会に参加するために利用できる。コインフレックスはBNBとトロン(TRX)の先物契約も今夏提供する計画だとラム氏は語った。

今のところ仮想通貨領域の先物契約の大半は、ビットコインのようなローンチ済みの資産に関連するもの。しかし、ローンチ前のアセットに関連する契約に対する需要がどのようなものとなるかはまだ分からない。香港を拠点とする取引所ビットフォレックス(BitForex)も、先物契約ではないが、個人投資家向けプレセールの一種として、DOTのIOUとして「ポルカドットIOU」をユーザーに販売することを発表した。

コインフレックスの事業開発担当責任者のエマニュエル・アラム(Emmanuel Alamu)氏はCoinDeskの取材に対して、資産自体が非流動的なままの場合、IOUや現金決済の先物よりも現物決済の仮想通貨先物の方がリスクは少ないと述べた。

「IFOは、市場における価格発見を促すだけでなく、これらブロックチェーンの進展のバロメーターとして働く、革新的な方法です」とアラム氏は述べ、次のように続けた。「我々は二重マージンに対応できるため、IFO取引の両サイドがそれぞれのデジタル資産を確実に提供するような規則を制定することができます」

翻訳:山口晶子
編集:町田優太
写真:Polkadot image via Shutterstock
原文:Polkadot Tokens Valued at $75 Pre-Launch in Crypto ‘Futures’ Offering