バイデン大統領が元リップル顧問をFRB副議長に指名、北朝鮮ハッカーがロンダリング継続【週末のトップストーリー】

週末の注目ニュースをピックアップ。イースター休暇でニュースは少なかったものの、暗号資産業界にはとって大きな動きが見られた。

元リップル顧問、バイデン大統領がFRB副議長に指名

バイデン米大統領は4月15日、連邦準備理事会(FRB)の金融規制担当副議長として、オバマ政権で財務次官補を務めたマイケル・バー(Michael Barr)氏を指名した。

暗号資産業界にとってより重要な点は、バー氏がかつて、リップル(Ripple)社の顧問を務めていたこと。暗号資産業界の内部事情に精通していると言えるだろう。

原文:Biden Nominates Former Ripple Adviser Barr as Top US Fed Regulator

北朝鮮ハッカー、ハッキングした暗号資産のロンダリング継続

米当局が6億ドル超のハッキング事件に関連していると判断した北朝鮮のイーサリアムウォレットは、制裁措置を無視し、ハッキングで盗み出したイーサリアム(ETH)のロンダリングを続けた。

米当局が北朝鮮のハッカー集団「ラザルス(Lazarus)」と見ているアドレスは15日朝、2915イーサリアム(約880万ドル、約11億円)を暗号資産ミキサーのトルネードキャッシュ(Tornado Cash)に送った。

ブロックチェーン分析会社エリプテッック(Elliptic)は14日、ハッカーは8000万ドルをロンダリングしたと考えていると述べた。

原文:Sanctioned Crypto Wallet Linked to North Korean Hackers Keeps On Laundering

暗号資産ミキサー、制裁対象ウォレットをブロック──効果には疑問

暗号資産ミキサー(匿名性を高めるために複数のコインを混ぜ合わせて再分配するサービス)のトルネードキャッシュ(Tornado Cash)は4月15日、ブロックチェーン分析のチェイナリシス(Chainalysis)が開発したツールを使用して、米財務省外国資産管理局(OFAC)から制裁を受けた暗号資産ウォレットをブロックすると発表した。

しかし、ブロックは分散型アプリ(dapp)にのみ適用され、基盤となるスマートコントラクトには適用されないと、創設者の1人がツイートした。同氏は以前、トルネードキャッシュのような分散型プロトコルに制裁を加えることは「技術的に不可能」だと発言している。

暗号資産ミキサーの目的は、金融プライバシーを守ることと言われるが、しばしばハッキングで盗まれた暗号資産の痕跡を消すことに使われている。

原文:Tornado Cash Adds Chainalysis Tool for Blocking OFAC-Sanctioned Wallets From Dapp

|文・編集:coindesk JAPAN編集部
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