暗号資産(仮想通貨)市場は25日、投資家がさらなる市場リスクに備えるなか、さまざまな動きとなった。
一般的に投資家は高い不確実性に直面すると、株式や暗号資産のような投機的資産への投資を減らす。今年現時点まででS&P500は約12%、ビットコイン(BTC)は17%下落している。一方、伝統的な安全資産のゴールドは、3月の高値から8%下落しているものの、年初からは3%上昇している。
株式市場のボラティリティの最近の上昇は、ゴールドの下落と同ダイミングだった。これは、市場参加者の中立的なスタンスを示している可能性がある。
一方、ツイッターがイーロン・マスク氏の買収提案を受け入れたことで、ドージコイン(DOGE)は26%上昇した。
一部のアナリストは、この1年間、株式市場の動きに追随してきた暗号資産市場が横ばいとなることを待っている。今のところ、ビットコインが4万ドル付近で推移すると、投機的なトレーダーが戻り始めている。例えば、3月は6カ月連続で減少していたデリバティブの取引高が増加した。
最新価格
●ビットコイン:40,294ドル、+1.48%
●イーサリアム:3,022ドル、+2.00%
●S&P500:4,296、+0.57%
●ゴールド:1,899ドル、-1.64%
●米国10年債利回り:2.83%
清算ゾーン
先週ほどではないが、この24時間でビットコインロングの清算はわずかに増加した。
アナリストは清算が発生する水準をチェックし、価格動向の参考としている。過去3カ月、ビットコインは20%の価格変動があったが、4万ドル付近で推移した。つまり、現状のレンジ相場を上抜け、あるいは下抜けすると、ロングあるいはショートで清算が発生することを意味する。
短期的に注目すべきゾーン
- ショートの清算ゾーン:4万2000ドル〜4万3000ドル以上
- ロングの清算ゾーン:3万8000ドル〜3万9000ドル以下
暗号資産リサーチ会社のデルファイ・デジタル(Delphi Digital)は「現状、長期および短期のビットコイン保有者の約30%が損失を抱えている」とレポートに書いている。また、データサイトのグラスノード(Glassnode)がまとめたブロックチェーンデータによると、短期保有者の平均コストベースは約4万5900ドルとなっている。
一般的に、短期保有者は価格の動きに敏感。大きな転換点は、長期保有者が短期保有者から過剰な供給を吸収したときに生まれる。
ビットコイン長期保有者のNUPL(net unrealized profit/loss)を見ると、長期保有者の過度な楽観は、昨年3月の6万4000ドル付近の当時の最高値付近で発生した。それ以降、2015年、2019年と同様におそらく長期的な下落傾向を想定して、一部、利益確定の動きが見られた。
現状、キャピチュレーション(投げ売り)の兆候はなく、大規模な清算が起こるまで、横ばい、あるいは下落傾向が続くと見られている。
アルトコイン
●OpenSea、NFTアグリゲーターのGemを買収:大手NFTマーケットプレイス「OpenSea」は、NFTアグリゲーターのGemを買収したと25日、ブログに記した。Gemは、分析ツール、ランキング、イーサリアムの取引手数料を節約するためのバンドル購入など、さまざまなNFT関連サービスを提供している。
●Bored Ape Yacht Clubでハッキング:人気NFTコレクション「Bored Ape Yacht Club(BAYC)」のインスタグラムとDiscordサーバーが25日にハッキングされ、NFT発行に関する非公式なリンクがフォロワーに送信された。「今日は何も発行していない。BAYCのインスタグラムがハッキングされたようだ。何も発行しないように、リンクをクリックしないように、ウォレットを何かにリンクさせないように」とBAYCはツイートしている。
●ドージコイン、急騰:ツイッターがイーロン・マスク氏の買収提案を受け入れたことで、ドージコイン(DOGE)は26%上昇。25日早朝に0.12ドルから0.16ドルに上昇した。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Glassnode
|原文:Market Wrap: Cryptos Mixed as Global Uncertainty Lingers; Dogecoin Pumps