機関投資家クライアントは、テラ(Terra)ブロックチェーンへのアクセスが可能になると、DeFi(分散型金融)に殺到したと暗号資産(仮想通貨)カストディ(保管・管理)サービス会社、ファイアブロックス(Fireblocks)のCEO、マイケル・シャウロフ(Michael Shaulov)氏は語った。
テラは、暗号資産テラ(LUNA)と、テザー(USDT)、USDコイン(USDC)に続く、第3位のステーブルコイン「TerraUSD(UST)」の発行を手がけている。
シャウロフ氏によると、暗号資産ヘッジファンド、ベンチャーキャピタル、個人富裕層などからの蓄積した需要は「クレイジー」だった。
「我々がテラ上のDeFiにアクセスできる機能をリリースすると、この種のクレイジーな需要が見られた」とシャウロフ氏は述べた。
「そして最初の72時間で2億5000万ドル(約320億円)以上が展開され、今ちょうど1週間だと思うが、我々のプラットフォームからテラに5億ドル(約640億円)のトランザクションがあった」
急成長するテラ
韓国に拠点を置くテラフォームラボ(Terraform Labs)が2018年に構築したテラブロックチェーンは、暗号資産テラ(LUNA)から、ステーブルコイン、DeFi、NFT、ゲームまで急成長している。
約400万のユニークウォレットを誇り、過去2年でユーザーは400%増加、DeFiLamaによると、TVLは300億ドル(約3兆8000億円)を超えている。
テラは、100億ドルのビットコイン購入を掲げ、これまでに16億ドルを購入、アルゴリズム型ステーブルコイン、TerraUSD(UST)の裏付け資産を強化しようとしている。
だがビットコインをUSTの準備金に加えることに、一部の金融専門家は懸念を表している。シャウロフ氏は、同社はテラのビットコイン購入に関与していないと述べ、リスクとイノベーションについて次のように語った。
「ファイアブロックスのミッションは、十分な情報を持った投資家に安全なアクセスを提供すること。投資家はデューデリジェンスを行い、需要に従い、イノベーションが向うところを理解している」とシャウロフ氏は語った。
「ステーブルコインまわりのモデル、特にテラが行っていることはどこか実験的だと私が言う必要はない。ステーブルコインについて、こうしたイノベーションの余地があるかと問われれば、答えはイエスだと考えている」
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
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|原文:Fireblocks Sees $500M Stampede Into Terra DeFi in First Week