ビットコイン(BTC)は27日、3万9000ドル付近で推移した。トレーダーのセンチメントは、今週はじめと比較すると低下しているものの、依然として中立〜弱気。
例えば、最近の下落にもかかわらず、ドージコイン(DOGE)は過去1週間で5%上昇、一方、ビットコインは5%下落している。
ビットコインは3万8000ドル付近で需要のサインが表れているが、短期的な下降トレンドを上抜けするかどうかはまだわからない。FxProのアナリスト、アレックス・カプチケヴィッチ(Alex Kuptsikevich)氏は、今のところビットコインは「窓から落ちているが、窓枠につかまっている」ようなものとメールでコメントした。
全般的に、暗号資産と株式の不安定な値動きは、特にマクロ経済と地政学的なリスクが残るなか、トレーダーの間に不確実性があることを示している。
ドイツ銀行は27日、アメリカ経済は2023年末までにリセッション(景気後退)を迎えるとする世界経済予測を発表した。同行はまた、金融引き締めとインフレ上昇がもたらす大規模な景気後退、つまり「ハードランディング」のリスクが高まっていると述べた。経済成長が鈍化する時期には、投資家は投機的な資産への投資を減らす傾向がある。
最新価格
●ビットコイン:39,047ドル、+2.70%
●イーサリアム:2,864ドル、+1.65%
●S&P500:4,184ドル、+0.21%
●ゴールド:1,887ドル、-0.78%
●米国10年債利回り:2.82%
ビットコインの取引高推移
下図は過去2年のビットコイン取引高を示している。取引高の急増は通常、価格のピーク時に起こり、2021年4月や11月のように、価格の大幅な下落に先行する。
しかし、最近は取引高が比較的少なく、買い手が様子見となっていることを意味している。
また、ビットコインのボラティリティは過去1年で最低の水準となっている。さらにオプショントレーダーは、今後の値動きが小さくなると見ており、買い手が確信を持って戻ってくるまで、ビットコイン価格がより緩やかに下落する可能性を指摘している。
暗号資産デリバティブ取引所のDeribitは「4月は多くの投資家がボラティリティ取引を行い、ほとんどがロングポジションを取った」とブログに記した。「だがボラティリティは高水準に戻らず、投資家はまだボラティリティの上昇を待っている。早い段階で取引した投資家にとっては、利益を上げるには長い道のりがあるだろう」。
アルトコイン
●テラ(LUNA)の流通供給量が過去最低に:テラ(LUNA)の流通供給量は26日、過去最低まで低下した。テラには持続可能性についての懸念を指摘する声があるものの、アナリストは価格上昇につながる動きとみている。LUNAの流通供給量は、データサイトのSmart Stakeによると3億4600万。1カ月前は3億5500万、11月には4億8200万の過去最高を記録していた。
●オプティミズム(Optimism)がDAOを設立:イーサリアムブロックチェーンの人気レイヤー2ソリューション「オプティミズム(Optimism)」は26日、「Optimism Collective」と名づけた自律分散型組織(DAO)を設立すると発表した。また同時にトークンのエアドロップも発表した。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk, CoinGecko
|原文:Market Wrap: Bitcoin Stabilizes as Bearish Sentiment Pauses