人気NFT「BAYC」でハッキング、1.5億円相当のNFTを手にCOOが退社【4/23~4/29のトップニュース】

今週のトップニュースをダイジェストで振り返ります。

ホールセール・バンク、暗号資産市場での成長可能性:モルガン・スタンレー

ホールセール・バンク(大手法人に特化した銀行)は「デジタル資産革命」の始まりを傍観し、法人や機関投資家の顧客が昨年生み出した40億~50億ドル(約5100億〜6400億円)の収益のほぼすべてを逃してきたと、米投資銀行モルガン・スタンレーは4月12日付のリサーチレポートで指摘した。

個人投資家、ビットコインへの関心低下:Googleトレンドが示唆

「Googleトレンド」を見ると、ビットコイン(BTC)のグローバルな検索数は、2022年4月22日時点、2020年半ばのレベルとなっている。具体的には、4月17日〜23日までの1週間の数値は「17」。2021年5月の「76」と比べると、大幅に低下した。

ビットコインへの関心は2017年にピークを迎えた。2021年は関心が低下しており、先週は2020年以来の水準まで低下した。

暗号資産ファンド、わずかな純流出──ビットコイン低迷で3週連続

暗号資産ファンドは22日までの1週間、700万ドルの純流出となった。ビットコインファンドは先週、260万ドルのわずかな純流入となり、月累計の流出額は1億7800万ドルにとどまっている。イーサリアム(ETH)ファンドも1690万ドルの純流出となったが、前週の2700万ドルからは減少した。

GPU価格、下落──イーサリアムのPoS移行控え

イーサリアム(ETH)のマイニングに使われるGPUは、価格が下落している。プルーフ・オブ・ワーク(PoW)からプルーフ・オブ・ステーク(PoS)への移行を控えており、GPUは実質、無用のものになるためだ。

中国当局が暗号資産マイニングを禁止した2021年5月以降、Tom’s Hardwareのデータをもとに算出すると、eBayでの人気GPUの価格は37%下落した。

人気NFT「BAYC」でハッキング、被害は4億円弱か

人気NFTコレクション「Bored Ape Yacht Club(BAYC)」のインスタグラムとDiscordサーバーが25日にハッキングされ、NFT発行に関する非公式なリンクがフォロワーに送信された。

「今日は何も発行していない。BAYCのインスタグラムがハッキングされたようだ。何も発行しないように、リンクをクリックしないように、ウォレットを何かにリンクさせないように」とBAYCはツイートした。

1.5億円相当のNFTを手にCOOが退社──価格高騰前の入手に疑問の声も

4月16日に発売が開始され、その週末だけで2億ドル以上のセールスを記録したNFTコレクション「Moonbirds」を手がけるPROOFの最高執行責任者(COO)、ライアン・カーソン(Ryan Carson)氏が25日、自身のNFTベンチャーファンド(VC)を立ち上げるためにプロジェクトを離れたとツイッターに投稿した。

NFTコミュニティはこのニュースに、即座に否定的な反応を示した。カールソン氏が退社前に数十万ドル相当のMoonbirdsを購入していたことに、多くの不満の声があがった。インサイダー情報を利用して、安価に購入した可能性がある。

LINE、“ゴジラ”で国内初のNFT──オリジナル特撮を発売

LINEは25日、東宝の特撮シリーズ「ゴジラ」のNFTを国内で初めて取り扱うと発表した。子会社のLVCが運営するNFTマーケットプレイス「LINE NFT」で、4月27日から販売する。

2021年11月に開催されたYouTube LIVE「ゴジラ・フェス2021」で公開された「ゴジラVSへドラ」のシーンをNFT化した。1セット5枚入りで、価格は5500円(税込)。

バイナンスがトップ維持、3月の暗号資産市場──スポット取引高は約63兆円

暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)のスポット(現物)市場におけるシェアは3月、CryptoCompareのレポートによると30%にのぼり、2月の29%から上昇した。

バイナンスの3月のスポット取引高は約4900億ドル(約62兆7000億円)で前月比15%増。続いてコインベース(Coinbase)が819億ドル(12%減)、OKX(旧OKEx)が759億ドル(26%減)だった。

テキサス州フォートワース、ビットコインをマイニングするアメリカ初の都市に

テキサス州第5の都市フォートワース(Fort Worth)は、ビットコイン(BTC)マイニングを手がけるアメリカ初の都市となる。この実験プロジェクトは26日、市議会で承認された。

市はテキサス・ブロックチェーン協議会(TBC)と提携。市役所にある、ITソリューション部門のデータセンターにマイニングマシン「Bitmain S9」3台を設置する。マイニングマシンはTBCが寄贈した。

テラのDeFiに「クレイジー」な需要、1週間で5億ドル流入:カストディ会社CEO

機関投資家クライアントは、テラ(Terra)ブロックチェーンへのアクセスが可能になると、DeFi(分散型金融)に殺到したと暗号資産(仮想通貨)カストディ(保管・管理)サービス会社、ファイアブロックス(Fireblocks)のCEO、マイケル・シャウロフ(Michael Shaulov)氏は語った。

シャウロフ氏によると、暗号資産ヘッジファンド、ベンチャーキャピタル、個人富裕層などからの蓄積した需要は「クレイジー」だった。

ピコ太郎、NFTのZombie Zooが音楽ビデオでコラボ──仕かける米Web3企業OP3N

「ペンパイナッポーアッポーペン」の動画で世界的に注目を集めたピコ太郎と、日本在住で9才の少年NFTアーティスト「Zombie Zoo Keeper」が、タッグを組んでミュージックビデオ(MV)の制作に乗り出した。5月の世界同時リリースを前に、MVにアクセスできるNFTを準備した。

プロジェクトをプロデュースしたのは、ハリウッドの映画・音楽業界とのパイプを持ち、アメリカ・ロサンゼルスに拠点を置くWeb3.0企業のOP3N(「オープン」と読む)。同社は、アジアのアーティストと世界中のファンをNFTでつなげるスマートフォンアプリを開発。Web3の世界で、コンテンツ(IP)とファンコミュニティをコネクトするプラットフォームと位置づけている。

相撲界にもNFT、琴奨菊の引退チケット特典で:レコチョク

NFTの勢いが相撲界まで広がっている。レコチョクは4月26日、秀ノ山親方(元大関琴奨菊)が開催する引退興行チケットの特典として、NFTをプレゼントすると発表した。

興行名は「琴奨菊引退秀ノ山襲名披露大相撲」で、10月1日に開催される。来場者全員にチケットの半券特典NFTをプレゼントする。チケットの販売は、5月30日から。

ビットコインとゴールドを組み合わせた世界初のETP、スイスで上場

ビットコイン(BTC)とゴールドを組み合わせた世界初のETP(上場取引型金融商品)がスイス証券取引所(SIX Swiss Exchange)に上場した。

同ETPは、ビットコインとゴールドで構成された専用のベンチマークインデックスをもとに、2つの資産の変動率に応じて毎月リバランスを行う。過去360日のボラティリティが低い方に高いウエイトがかけられ、当初は、ビットコイン18.5%、ゴールド81.5%の割合で運用される。

クラーケン、エンジンコインを日本で上場──取扱銘柄10種類に

暗号資産(仮想通貨)取引サービス大手のクラーケン(Kraken)は27日、日本国内でエンジンコイン(ENJ)の取り扱いを開始した。今回の追加により、上場する暗号資産の銘柄は10種類になった。

bitFlyer、ビットコインでウクライナへの寄付を募集

暗号資産(仮想通貨)取引所を運営する bitFlyerは4月27日、ビットコイン(BTC)によるウクライナへの寄付募集を開始した。全額を日本赤十字社の「ウクライナ人道危機救援金」に寄付する。

プロジェクト名は、「ビットコインで寄付しよう ウクライナ支援特別プロジェクト」。ビットコインウォレットやbitFlyerアカウントから、寄付用ビットコインアドレスに送金すれば、寄付が完了する。手数料は徴収しない。

doublejump.tokyo、30億円の調達ラウンド──米サークル、Polygonが出資へ

doublejump.tokyoは4月27日、約30億円の資金を調達する計画(シリーズC)を発表した。世界最大規模のステーブルコイン「USDC」を発行する米サークル(Circle)社のベンチャーキャピタルと、Polygon Venturesが今回の調達ラウンドに参画する。

発表文によると、Circle VenturesとPolygon Venturesに加えて、ディーカレットを買収したAmber Groupや電通ベンチャーズ、Z Venture Capital、ジャフコ(JAFCO)などがシリーズCラウンドに参加する投資企業だ。

金融プロダクトとしてNFTを検討:ゴールドマン・サックス

ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)は、暗号資産(仮想通貨)分野に進出するなかで、NFT、特に「実物資産のトークン化」を検討していると発表した。

現実世界の資産がNFTとして売買されるメタバースは、金融サービスや他のさまざまな業界から注目を集めている。

元JPモルガンのモイ氏、米アポロに入社──デジタル資産投資をリード

約5000億ドルの資産を運用する米プライベートエクイティのアポロ・グローバル・マネジメント(Apollo Global Management)は4月28日、JPモルガン・チェースでブロックチェーンプロジェクトに携わってきたクリスティン・モイ(Christine Moy)氏をデジタル資産の投資戦略責任者として採用したと発表した。

発表文によると、アポロが、デジタル資産・投資戦略責任者のポジションを設けるのはこれが初となる。

|文・編集:coindesk JAPAN編集部
|画像:Shutterstock.com

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