イーサリアム(Ethereum)ブロックチェーン上に構築された一部のアプリケーションとサービスは2022年第1四半期(1−3月期)、前年同期比で大幅な成長を見せた。
レイヤー2(イーサリアム上に構築されたスケーリングサービス)のTVLは、2022年第1四半期は73億ドルに達し、2021年第1四半期の6億8690万ドルから10倍以上になったとBanklessのアナリストはレポートに記した。
人気レイヤー2の「Arbitrum」と「Optimism」は、イーサリアムブロックチェーンに1500万ドルを超える取引手数料をもたらした。
ステーブルコインの流通供給量は188%増の1220億ドル、その大部分はテザー(USDT)によるもので、CoinGeckoによると、供給量は500億ドルから830億ドルに増加した。
分散型取引所(DEX)の取引高は667%増加。スポット(現物)の取引高は1年で3兆9000億ドル増加し、先物の取引量は74億ドルから2091億ドルへと30倍近い増加となった。一部は、dydxやLoopringのようなレイヤー2ベースの分散型取引所によるものだ。
イーサリアムのアクティブユーザーはわずかな成長
だが、イーサリアムブロックチェーンの1日あたりのアクティブアドレス数は、わずか4%しか増加していない。これはイーサリアム上のアクティビティのほとんどは、新規参入者ではなく、既存ユーザーによるものであることを示しているかもしれない。
「イーサリアムは大規模な成長を遂げた一方で、1日あたりのアクティブユーザーから見れば、成長は保守的だった」とクロスチェーン・ソリューションを手がけるEVODeFiのエグゼクティブ・ディレクター、エゴール・ボロコビッチ(Egor Volotkovich)氏は述べた。
同氏によると、ユーザーの伸びの低さは、テラ(Terra)、BNB Chain、アバランチ(Avalanche)などの他のレイヤー1ブロックチェーン、いわゆる「イーサリアム・キラー」との競争激化が原因となっている可能性がある。
「競争相手の数は明らかに増加しており、イーサリアムだけに固執するのではなく、投資家は分散型金融(DeFi)、NFT、Web3といった成長性の高い領域から最高の結果を得るために、ポートフォリオを分散化させている」とボロコビッチ氏は語った。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:L2Beat
|原文:Layer 2, Decentralized Exchanges Show Strong Growth on Ethereum in Q1 2022