【US市場】ビットコイン、3万ドル付近で横ばい──取引所への流入が急増

暗号資産市場は10日、押し目買いの動きが見られ、ボラティリティは低下した。

ビットコイン(BTC)は3万ドル付近で横ばい、この1年の取引レンジの底値レベルにある。ビットコインは売られすぎているようで、短期間の反発に先行した1月後半の状況に似ている。だが一部のアナリストは、ステーブルコイン市場のリスクを指摘し、慎重な姿勢を示している。

ジャネット・イエレン米財務長官は10日、上院公聴会でドルペッグを失っているTerraUSD(UST)に触れ、「急成長しているプロダクトであり、金融安定性に対するリスクがあることをまさに示していると思う。適切なフレームワークが必要だ」と述べた。

ほとんどのアルトコインは10日、ビットコインのパフォーマンスを上回り、短期トレーダーの間でリスク意欲が高まっていることを示した。例えば、ポリゴン(MATIC)は24時間で19%、柴犬コイン(SHIB)は15%上昇した。一方、ビットコインは4%上昇。

最新価格

●ビットコイン:31,345ドル、-0.12%
●イーサリアム:2,356ドル、+2.28%

●S&P500:4,001、+0.25%
●ゴールド:1,837ドル、-1.11%
●米国10年債利回り:2.99%

取引所への流入が急増

ビットコインの暗号資産取引所への移動(流入)が最近、急増している。上昇幅は、新型コロナウイルス感染拡大でビットコインが約50%下落した2020年3月以来の高水準。

理論的には取引所への流入は、トレーダーがビットコインを売却しようとしていることを示している。流入の急増は、かつての底値と同様に、投げ売り(損切り)のサインの可能性がある。さらに、ビットコインの取引高は1月に見られた直近のピークを超え、センチメント指標はトレーダーの間の極端な弱気を示している。その結果、通常、価格は反発する。

出典:Glassnode

ビットコインのドローダウン拡大

ビットコインのドローダウン(高値から底値までの下落率)は、1月のように短期的な安値が続くことを示している。弱気相場ではドローダウンは60%~80%になることがあるが、現状は50%強。

ビットコインは2018年の弱気相場以降、現在よりも大幅なドローダウンを経験している。ドローダウンの推移は、長期的な上昇トレンドと一致している。

出典:CoinDesk, Koyfin

だが、これまでの状況とは異なり、ビットコインとS&P500との相関関係は過去最高レベルとなっている。

出典:Coin Metrics

アルトコイン

●ステーブルコインTerraUSD(UST)をめぐる問題:TerraUSD(UST)は、1ドルを大きく下回る価格となっており、ドルペッグを守ることに苦戦している。

●イーサリアムとビットコインは連動:ビットコインとイーサリアムのリターンの相関関係は過去数カ月で上昇し、10日にCoin Metricsが発表したレポートによると、2020年初夏以来の最高水準に達している。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Glassnode
|原文:Market Wrap: Altcoins Outperform as Bitcoin Stabilizes Around $30K