ステーブルコインTerraUSD（UST）をめぐる問題が依然としてトレーダーに緊張感をもたらしており、暗号資産市場は11日、ほとんどが下落した。
テラ（LUNA）は3日連続で急落し、24時間で96%も下落した。テラは、USTのボラティリティに対するクッションとなるはずだったが、大規模な売り圧力に屈した。Luna Foundation Guard（LFG）はUSTのドルペッグ（1UST＝1ドル）を守るために準備金として購入したビットコインを全額、取引所に移した。
EUの欧州委員会は、法定通貨の代わりに広く使用されるようになったステーブルコインコインを禁止する方向に動いているようだ。
ビットコインは24時間で6％下落したが、イーサリアム（ETH）の9％、ソラナ（SOL）は30％下落している。
最新価格
●ビットコイン：29,155ドル、-6.40％
●イーサリアム：2,104ドル、-10.31％
●S&P500：3,935、-1.65％
● ゴールド：1,853ドル、+0.71％
●米国10年債利回：2.92％
ビットコインの取引高はここ数日、以前の急増時よりも少ないとはいえ、増加している。ビットコインが3万ドル付近で横ばいとなるなか、損切りの動きを表すサインかもしれない。
「4月のビットコイン取引高が昨年夏以来の低水準だったことを考えると、急増はきわめて興味深い」「このところのボラティリティの上昇は、トレーダーを目覚めさせたようだ」とArcane Researchは今週初めにレポートに記している。
ボラティリティ回復
ビットコインのインプライド・ボラティリティも上昇している。ボラティリティの急上昇は短期間で終わる傾向があるが、トレーダーは大きな価格変動を期待している。
BTCのプット・コール・レシオも上昇、オプショントレーダーの弱気センチメントを表している。現状は、価格上昇に先行した2月以来の高水準だ。
アルトコイン
●テラ（LUNA）、96％下落： テラ（Terra）ブロックチェーンのネイティブ暗号資産テラ（LUNA）は、わずか1日で96％下落し、1ドル付近となった。テラはアルゴリズム型ステーブルコインTerraUSD（UST）の価格変動のクッションとなるはずだったが、USTがドルペッグを回復できなかったことでテラの価値はほぼゼロになった。一部のトレーダーは先物市場でテラの反発に投資したが、価格が急落し続けたことで、清算額は1億600万ドルに達した。
●USTの危機、他のアルゴリズム型ステーブルコインにも広がる：USTの危機は、他のアルゴリズム型ステーブルコインにきわめてプレッシャーを与えている。DeFi（分散型金融）プロジェクトWavesのステーブルコインNeutrino USD（USDN）は0.8ドルを割り、ネイティブ暗号資産WAVESは1日で26％下落した。Delphi Digitalは今週初め、FRAX、FEI、USDNは設計や弱点がUSTと類似しているため、同じ危険に直面していると述べた。
●Stepn、人気：ソラナ（SOL）ブロックチェーンを基盤とし、ウォーキングやジョギングで報酬として暗号資産を得ることができる「move-to-earn（動いて稼ぐ）」アプリケーション「Stepn」が人気を集めている。Stepnは数カ月でデイリーアクティブユーザーが30万人を超えるまでに成長し、ネイティブトークンGMTは、3月から10倍以上になっている。「長期的に価値がある」とFundstratのウィル・マクボイ（Will McEvoy）氏は述べた。
｜翻訳：coindesk JAPAN
｜編集：増田隆幸
｜画像：
｜原文：Market Wrap: Cryptos Extend Losses as LUNA Plunges
