USTの回復に賭けるヘッジファンドArca、勝算はあるか?

暗号資産ヘッジファンドのArcaは、テラ(Terra)ブロックチェーンのネイティブ暗号資産テラ(LUNA)を活用したステーブルコインTerraUSD(UST)の突然、かつ劇的な崩壊から深刻な影響を受けていると思われる数多くの会社の1つだ。

5億ドル(約650億円)の運用資産を誇る同社は10日、USTはいずれドルペッグを回復すると信じており、この状況は買いのチャンスを作り出すと文書に記した。

Arcaは文書の中で、この状況を議論するために臨時の投資・リスク委員会を開催したと述べた。CoinGeckoによると、9日夜、USTは0.63ドル、テラは24.60ドルまで下落した。当記事執筆時点、USTは0.63ドルで依然として1ドルを大きく下回り、テラはわずか1.15ドルまで急落している。

「分析を経て我々は、USTは最終的にペッグを維持し、多くの魅力的なチャンスが生まれていると感じた。そして今も感じ続けている」とArcaのCEO、レイン・スタインバーグ(Rayne Steinberg)氏は10日、投資家向け文書に記した。

Arcaはコメントを控えた。

文書によると、Arcaはデジタル資産ファンドを運用しており、テラは中心的な資産となっている。一方、USTは同社のDigital Yield Fundにおける中心的なステーブルコインと同社は記している。

スタインバーグ氏は文書の中で過去の危機に触れ、「我々は2008/2009年(の金融危機)から、近年のSUSHIやLEO(Bitfinex)まで、厳しい状況における大きな経験を持っている」「他の人が恐れている時に買い手となるこのようなチャンスを歓迎している」と述べた。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:ArcaのCEO、レイン・スタインバーグ氏(CoinDesk archives)
|原文:Crypto Fund Arca Doubled Down on UST Amid Stablecoin’s Collapse