【US市場】ビットコインは2万9000ドル付近で横ばい、1週間で20%下落

ビットコイン(BTC)は12日、一時2万5400ドル付近まで下落した。その後、反発したものの過去1週間で20%下落している。

この数カ月、価格の乱高下が常態化しており、多くのアルトコインは極端な売り圧力にさらされている。例えば、ソラナ(SOL)は1週間で46%下落、イーサリアム(ETH)は30%下落。ビットコインはアルトコインよりも下落率が小さく、暗号資産トレーダーのリスク意欲の低さを示している。

テラ(LUNA)とUSTをめぐる懸念

Terra(テラ)ブロックチェーンのネイティブ暗号資産テラ(LUNA)は12日、0.2セント以下まで下落。「市場がパニックになれば、より大きなリスクが生まれる。パニックはマクロ環境がきっかけとなり、テラ(LUNA)が引き起こしたリスクによって悪化して、ビットコインとイーサリアムはサポートを下回る可能性がある」とFundStratのデジタル資産戦略担当バイスプレジデント、ショーン・ファレル(Sean Farrell)氏はメールでコメントした。

マクロ経済的リスク、およびテラ(LUNA)とステーブルコインTerraUSD(UST)にめぐる懸念から、ビットコインの底値はまだ見えないという。

フィッチ・レーティングスは「投資家がステーブルコインへの信頼を失えば、暗号資産とデジタル金融にかなり大きな悪影響が及ぶ可能性がある」と12日、レポートに記した。同社は、特にこの数カ月で多くの金融機関が暗号資産への投資を増やしていることから、ステーブルコインの規制を求める声が高まると予想している。

最新価格

●ビットコイン:28,635ドル、-2.34%
●イーサリアム:1,945ドル、-7.89%

●S&P500:3,930、-0.12%
●ゴールド:1,824ドル、-1.57%
●米国10年債利回り:2.82%

ビットコインのドミナンス、上上

ビットコインのドミナンス(暗号資産全体の時価総額に対するビットコインの時価総額の割合)が上昇している。ビットコインのドミナンスは通常、下落相場で上昇する。

50%前後のドミナンスは、リスクオフ環境の長期化を示す可能性がある。現状、過去1年にアルトコイン人気が高まったこともあり、市況はまだ中立。昨年の強気相場と比べると確信度は低いものの、トレーダーは依然として短期的にリスクを追加するチャンスを見出していることを示している。

出典:CoinDesk, TradingView

アルトコイン

●テラ、短期間の停止を経て、ブロックチェーンをリスタート:テラ(Terra)ブロックチェーンは、暗号資産テラ(LUNA)が0.02ドル以下まで下落した後、新たなステーキングを防止するパッチを実装するために一時停止し、米東部時間12日午後にリスタートした。

●Anchor、利回りカットか:テラを基盤とするDeFiプロジェクト、Anchorの関係者は、エコシステムがUSTのドルペッグを回復させるための措置を模索するなか、USTの利回りを現在の19.5%から約4%に引き下げることを提案している。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk, TradingView
|原文:Market Wrap: Bitcoin Stabilizes as Altcoins Underperform; Expect More Volatility