先週、暗号資産(仮想通貨)ファンドは、投資家がTerra(テラ)崩壊による市場パニックに買いを入れたことで、2021年後半以降、最高の資金流入となった。
暗号資産ファンドは5月13日までの1週間、2億7400万ドルの流入超。先週は、ステーブルコインTerraUSD(UST)が数セントまで下落して180億ドルの時価総額がほぼゼロとなり、かつては時価総額トップ10の暗号資産だったテラのネイティブ暗号資産テラ(LUNA)が事実上無価値となった。
コインシェアーズのリサーチ責任者、ジェームズ・バターフィル(James Butterfill)氏は「投資家はUSTのデペッグとそれに伴う幅広い暗号資産市場の下落を買いのチャンスと考えた」ことを示す強いシグナル」と述べた。
ビットコイン(BTC)ファンドは、2億9900万ドルの流入超となり、2021年10月最終週以来最大の額となった。バターフィル氏によると、数字は「投資家がビットコインの相対的な安全性に群がった」ことを示している。
USTの準備金としてビットコインを購入していたLuna Foundation Guardが約8万ビットコインをパニック売りするかもしれないという懸念により、ビットコインが12日、2万5892ドルまで下落したことが相次ぐ投資につながった。
北米のファンドは3億1200万ドルの流入超、一方、ヨーロッパのファンドは3200万ドルの流出超となり、地域的には二極化した。
ビットコイン以外のファンドは市場の下落に苦しみ、イーサリアム(ETH)ファンドは約2670万ドルの流出超、ソラナ(SOL)ファンドは500万ドルの流出超となった。
一方、複数の暗号資産を運用するマルチアセットファンドは約860万ドルの流入超となり、一部の投資家が分散型のアプローチを取ったことを示した。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinShares
|原文:Crypto Funds Saw Year’s Highest Inflows as Terra Crisis Crashed Markets