【US市場】ビットコイン、3万ドルを守れず──米ドルとの逆相関はプラスサインか

ビットコイン(BTC)は23日、投資家に様子見の動きが見られ、午後には下落し、3万ドルを維持できなかった。ビットコインは狭いレンジ取引となっており、下落リスクにさらされている。

アルトコインは、まちまちな値動きとなり、例えば、ファントム(FTM)は16%も上昇、ディセントラランド(MANA)は3%下落した。

FundStratのデジタル資産担当バイスプレジデントのショーン・ファレル(Sean Farrell)氏は、最近の売り圧力は先物トレーダーではなく、現物(スポット)市場のトレーダーによるものと述べた。つまり、以前の下落時に起きたようなレバレッジをかけたポジションの大幅な巻き戻しは起こらない可能性が高いことを示している。

だがビットコインの下落トレンドは、特にマクロ経済の逆風が長引く場合、少しずつ進行していく可能性がある。ファレル氏は「キャピチュレーション、および投資家センチメントが悪化している証拠があるにもかかわらず、現在のマクロ経済環境は依然として暗号資産価格にきわめて大きな逆風となるだろう」と記した。

最新価格

●ビットコイン:29,148ドル、-2.69%
●イーサリアム:1,987ドル、-1.22%

●S&P500:3,974、+1.86%
●ゴールド:1,853ドル、+0.60%
●米国10年債利回り:2.86%

米ドルとの逆相関

米ドル指数(DXY)は5月13日の直近の高値から約3%下落しており、ビットコインのサポートとなる可能性がある。米ドルとビットコンにはマイナスの相関関係があるためだ。

過去のDXYの高水準は、ビットコイン価格の谷と一致している。昨年の米ドルの上昇は、ビットコインが6万9000ドル付近の史上最高値を記録し、下落傾向に転じた頃に始まった。ビットコインはその後、大幅に下落している。

出典:CoinDesk, Koyfin

だがマクロ経済の不確実性を考えると、米ドル指数のパフォーマンスはビットコインの完全なサインとは言えない。

ビットコインと米ドルの90日相関関係を見ると、多くの期間でマイナスになっている。それでも、2018年と2020年に見られたように、市場が乱高下した時には相関関係は上昇する可能性がある。

出典:CoinDesk, Koyfin

アルトコイン

分散型金融(DeFi)におけるテラのシステミック・リスク:投資銀行大手のゴールドマン・サックスは、分散型金融(DeFi)アプリケーションが相互接続を強めるにつれて、システミック・リスクが高まっていると指摘した。その一例が、ステーブルコインTerraUSD(UST)の崩壊が、人気ステーキングサービスのLidoに与える影響だ。ユーザーはLidoにイーサリアム(ETH)をステーキングすると、代わりに「stETH」を得る。stETHはLidoでテラ(Terra)ブロックチェーンの「bETH」に替えることができ、テラ最大のイールドファーミングサービスのAnchorで利回りを稼ぐことができた。stETHは、イーサリアムに対して4.5%のディスカウントで取引されている。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk, Koyfin
|原文:Market Wrap: Bitcoin Unable to Hold $30K, Altcoins Mixed