トレーダーのセンチメントは依然として弱気で、ビットコイン(BTC)は24日も下落した。
ビットコインの「Fear & Greed Index」はこの1カ月、「fear(恐怖)」領域に留まり、先週は過去2番目に低い記録的なレベルに達した。だが数値は数日間でわずかに回復し、特にビットコインが3万ドルを超えた場合、極端な弱気センチメントは薄れる可能性がある。
ほとんどのアルトコインは24日、ビットコインのパフォーマンスを下回った。例えば、イーサリアム(ETH)は24時間で4%下落、ビットコインは2%下落だった。アバランチ(AVAX)は9%下落、ファントム(FTM)は14%下落した。
テクニカルチャートでは、長期モメンタムが改善されるまで、価格上昇は限定的になるだろう。つまり、2020年の強力な上昇トレンドと比べると、株式と暗号資産のリターンは通年で低いものになる可能性がある。
変動の激しい市場は、価格トレンドにとらわれずにロング/ショートポジションを取る短期トレーダーにはチャンスとなる可能性がある。
だが、短期間での価格変動タイミングを見極めることは難しい。例えば、アーケーン・リサーチ(Arcane Research)によると、ビットコインは極端な弱気センチメントの間にプラスのリターンとなる傾向があるという。とはいえ、「ビットコインはまた、極端な恐怖の後に下落している。したがって、恐怖や悪いモメンタムの期間の購入はプラスになると無条件に期待するべきではない」。
最新価格
●ビットコイン:29,369ドル、+0.81%
●イーサリアム:1,962ドル、-1.17%
●S&P500:3,941、-0.81%
●ゴールド:1,866ドル、+0.97%
●米国10年債利回り:2.76%
リターンの減少
ビットコインの長期的な年平均成長率(CAGR)も、グラスノード(Glassnode)のデータによると下落傾向にある。
市場規模が大きくなると、価格を動かすために必要な資本も大きくなる。その結果、時間が経過し、市場が成熟するにつれて、リターンは減少することになる。
「2021年5月の下落以降、4年CAGRは大きく下落している。2021年5月は、市場の弱気トレンドのスタートだったと言える」(グラスノード)
だがリターンの減少は、市場規模だけが原因ではない。
マクロ的な観点から見ると、過去数年間、長期にわたる金融緩和政策が、株式や暗号資産のような投機資産の大幅な上昇を支えてきた。特にビットコインは、ボラティリティは大きいものの、株式市場と比べて高いリターンを上げてきた。
現在、世界中の投資家は、高いインフレ率と経済成長の鈍化のなかで、金融引き締め政策に対処している。そのため、株式市場と暗号資産市場の双方でリターンが減少する可能性がある。
「インフレ率が何年も高いままなら、歴史と現状の双方が、ほとんどの伝統的な金融アセットクラスでプラスのリターンを上げることは非常に難しくなることを示している」とドイツ銀行はリサーチノートに記した。
アルトコイン
●テラ崩壊で取引所への監視強化:テラ(Terra)崩壊を受けて、韓国当局は、暗号資産取引所への監視を強化しようとしている。Korea Timesは、ステーブルコインTerraUSD(UST)とテラ(LUNA)が数日でゼロ近くまで下落したことによる被害者は、約28万人にのぼると伝えた。当局は、Terraform LabsのCEO、ドー・クォン(Do Kwon)氏を詐欺容疑で捜査するようだ。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Glassnode
|原文:Market Wrap: Cryptos Decline Amid Bearish Sentiment