ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)は、暗号資産(仮想通貨)市場全般のセンチメントが弱まるなか、過去24時間にきわめて重要なサポートレベルを失った。こうした値動きにより、暗号資産先物市場では5億2000万ドル(約660億円)を超えるリクイデーション(清算)が発生した。
イーサリアム先物は約2億3600万ドル(約300億円)、ビットコイン先物は約1億2500万ドル(約160億円)を失った。通常はビットコインよりも低い清算額となるイーサリアムには珍しいことだ。
歩いて稼ぐ(Move-to-Earn)ゲーム「STEPN」のトークンであるGMTの先物は、STEPNが7月に中国でのプレーを事実上禁止すると発表したことを受けて、2300万ドルが清算された。
STEPNの基盤となっているソラナ(Solana)ブロックチェーンの暗号資産ソラナ(SOL)の先物は1100万ドル、メタバーストークンのサンドボックス(SAND)の先物は900万ドルの清算となった。
イーサリアムはアジア時間27日午前中に約9%下落し、1728ドルとなった。チャートでは、現在の水準がサポートとなり、今月初めに重要なサポートとなっていた1900ドルがレジスタンスとなっている。
現状の価格水準は昨年7月以来で、この水準を失うと1300~1500ドルのレンジ、あるいはそれ以下まで下落する可能性がある。
価格下落の根本的な原因は、分析会社グラスノード(Glassnode)のデータによると、イーサリアムブロックチェーンに対する需要不足かもしれない。
イーサリアムのガス代、つまり取引手数料は12月以降、下落傾向にあり、最近は数年来の低水準になっていると同社は今週はじめのメモで述べている。ガス代の低下は一般的に、ユーザーの活動が低下していることを意味する。
一方、分析会社Coinalyzeは、イーサリアムの26日の価格変動は、イーサリアム先物の建玉の急増を引き起こしたとツイートした。建玉の増加は通常、トレーダーが価格変動を予想していることを意味する。
— Coinalyze (@coinalyzetool) May 26, 2022
イーサリアムなど、主要暗号資産は当記事執筆時点には横ばいとなっている。だがビットコインの先物とオプションのデータは、トレーダーが弱気相場を予想してポジションを取っていることを示している。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Coinglass
|原文:Ether Accounts for Almost Half of $520M Liquidations Amid Weak On-Chain Data