今週のトップニュースをダイジェストで振り返ります。
暗号資産下落、米経済への影響はきわめて小さい:ゴールドマン・サックス
最近の暗号資産(仮想通貨)市場の下落がアメリカの家計の総支出に与える影響はきわめて小さいと、米投資銀行のゴールドマン・サックスは19日のレポートに記した。
同行の推定によると、アメリカの家計は約1.3兆ドル(約166兆円)にのぼる世界の暗号資産の約3分の1を保有。だが2021年第4四半期(10-12月期)のアメリカ家計の純資産が約150兆ドル(約1京9200兆円)だったことに比べると、きわめて小さな数字となる。
DeFiアプリの連携はシステミック・リスクを増幅:ゴールドマン・サックス
ステーブルコインTerraUSD(UST)崩壊のあまり注目されていない影響は、イーサリアム(ETH)の人気ステーキングサービス「Lido」に関係していると米投資銀行ゴールドマン・サックスは20日、レポートに記し、分散型金融(DeFi)アプリの連携が、いかにシステミック・リスクを増幅しているかを示した。
暗号資産ファンド、2021年7月以来の流出額──前週の買いから一転
暗号資産ファンドは先週、暗号資産と株式市場の下落を受けて、2021年7月以来の流出超となった。米連邦準備理事会(FRB)が来月からバランスシートを縮小することが要因の一つとなっている。
コインシェアーズ(CoinShares)によると、5月20日までの1週間、暗号資産ファンドへの資金流出入額は前週から3億8000万ドル減少し、約1億4300万ドル(約183億円)の流出超となった。今年2番目の流出額だ。
米成人の12%、暗号資産を保有──投資か決済かで大きな違い:FRB調査
アメリカの成人の12%が2021年に暗号資産を保有していたことが、米連邦準備理事会(FRB)が5月23日に発表した米家計の経済的健全性に関する調査で明らかになった。
調査によると、アメリカの消費者は通貨としての暗号資産にほとんど関心を持っていない。2021年に暗号資産で支払いをしたり、送金を行った回答者はわずか3%。一方、11%は投資目的で暗号資産を保有していた。
ソウル市警、テラの資金凍結へ:報道
韓国・ソウル市警は、TerraUSD(UST)の崩壊を受けて、Luna Foundation Guard(LFG)の資金を凍結するようだ。KBSニュースが23日に伝えた。
米コインベース、フォーチュン500に選出──暗号資産企業で初めて
米暗号資産取引サービス大手のコインベース(Coinbase)が、売上高全米トップ500社のリストである「フォーチュン500」に暗号資産企業として初めて選出された。
同社の2021年度の売上高は78億ドル(約9900億円)超、23日に発表された2022年のリストで437位となった。
BNPパリバ、レポ取引にJPモルガンのブロックチェーン使用:報道
仏銀大手のBNPパリバは、米銀大手JPモルガン・チェースが開発したプライベートブロックチェーンネットワークを使って、レポ取引(国債を担保に資金を調達する取引)を行った。Financial Timesが伝えた。
ビットコイン、8週連続の下落
ビットコイン(BTC)は、マクロ経済センチメントの悪化、インフレ懸念、暗号資産業界内のシステミック・リスク、そして上昇を促進できる直近の材料に欠け、その歴史の中で初めて8週連続の下落となった。
週末に9億円を売り上げた「Goblintown」NFT、背後には誰が?
NFT市場が「Goblin Town」へと下落を続けるなか、Goblin(ゴブリン)をテーマにしたNFTコレクションが人気を集めた(Goblin Townは、弱気相場を表す隠語)。
この週末に「Goblintown.wtf」は、3800イーサリアム(約700万ドル、約9億円)の販売高を記録。大規模な成功を短期間で収めたため、多くの人は経験豊富なチームが背後にいるのではないかと疑っている。
コインチェック、The Sandbox の暗号資産「SAND」を上場
コインチェックは5月24日、メタバースゲーム「The Sandbox(ザ・サンドボックス)」内で流通している暗号資産「SAND」の取り扱いを開始すると発表した。国内の暗号資産取引業者における「SAND」の上場は初めてだという。
ビットバンク、三井住友THと提携──暗号資産の信託業務で新会社
暗号資産取引所のbitbankを運営するビットバンクは5月24日、三井住友トラスト・ホールディングスと提携したと発表した。年内にも、デジタル資産の信託事業を専門とした「日本デジタルアセットトラスト(JADAT)」を立ち上げる。
新会社では、機関投資家や事業会社から暗号資産やNFT、セキュリティートークン(社債や不動産などを裏付け資産とするデジタル証券)などの管理を手掛ける。三井住友トラスト・ホールディングスは、日本カストディ銀行などを傘下に有する。ビットバンクの暗号資産のノウハウと、大手金融機関の業務知見を融合する。
ビットコイン、8000ドルまで下落と予想──グッゲンハイムCIOの発言を振り返る
米投資会社グッゲンハイム・インベストメンツの最高投資責任者(CIO)スコット・マイナード氏は過去数年間、ビットコイン(BTC)価格を積極的に予想している。
23日には、以下のように発言。
- マイナード氏の発言:CNBCに対して、8000ドルまで下落する可能性があると述べた。
- 現在のビットコイン価格:約2万9000ドル。
この先、どうなるだろうか?
SWIFT、5年後は存在しない:マスターカードCEOの発言が注目を集める【ダボス会議】
ダボス会議に参加しているマスターカードのCEO、マイケル・ミーバッハ氏は、暗号資産企業が主催した討論会に登壇。1970年代から世界中の銀行を繋いできた送金・決済ネットワーク「SWIFT」(国際銀行間通信協会)は5年後も存在するかとの質問に「No」と答えて、会場を沸かせた。
ビットコイン、適正価格は3万8000ドル──デジタル資産は不動産に代わる資産クラスに:JPモルガン
デジタル資産は、不動産に代わるオルタナティブ(代替)資産クラスになっていると、JPモルガン・チェースは顧客向け文書で述べた。
また、ビットコインとゴールドのボラティリティ・レートに基づいて、JPモルガンはビットコインの適正価値を現状より約30%高い、3万8000ドルとしている。
エヌビディアのマイニング専用チップ、売上は「わずか」──暗号資産の価格とともに下落
米半導体大手エヌビディア(Nvidia)は5月25日、2022年2〜4月期(第1四半期)決算を発表。暗号資産マイニング専用チップ「Cryptocurrency Mining Processors(CMP)」の売上への貢献は「わずか」で、同社のOEM部門にとってマイナス要因となっていると述べた。
ソラナが東京で開発者イベント――NFT、DeFi、GameFi…広がるエコシステム
イーサリアムの対抗馬として大きな注目を浴びているブロックチェーン「Solana(ソラナ)」の開発者向イベント「Tokyo Hacker House」が都内で5月25日から開催される。主催はソラナ財団(Solana Foundation)、日程は5月29日までの5日間、会場は品川の寺田倉庫G号だ。
「Tokyo Hacker House」では、Solana Labのコア開発者やパートナーのプレゼンテーションがあり、ソラナでDeFiやNFT関連プログラミングを始めるための最新情報が手に入る。
三井物産、米マイニング事業者に出資──フレアガスで環境負荷を低減
三井物産は5月25日、アメリカのマイニング事業者であるクルーソー・エナジー(Crusoe Energy)の第三者割当増資を引き受けたと発表した。また、戦略パートナーとして海外展開などで協業を進めていく。
クジラがテザー(USDT)からUSDコインへ移行──UST崩壊がきっかけ
「クジラ」の考えが変わったようだ。特にイーサリアムブロックチェーンでは大口保有者たちは、ステーブルコインとして時価総額No.1のテザー(USDT)ではなく、No.2のUSDコイン(USDC)を選ぶようになっている。
ブロックチェーン分析会社CoinMetricsによると、イーサリアムブロックチェーンにおいて100万ドル(約1億2700万円)以上のUSDコインを保有するウォレットの数が、テザーを保有するウォレットの数を上回った。
STEPN、中国でのプレー禁止へ──トークンは30%超下落
ソラナ(Solana)ブロックチェーンを基盤とした「move-to-earn(歩いて稼ぐ)ゲーム「STEPN」は5月26日、中国でのプレーを7月中旬に事実上禁止すると発表。このニュースが広がると、ガバナンストークンのGMTは下落した。
CoinGeckoによると、GMTは24時間で39%超下落。STEPNのNFTスニーカーは当記事執筆時点、マーケットプレイスのMagic Edenで約8.5ソラナ(SOL)となっており、25日から約3.5ソラナ下落している。
「ビットコインはまもなく足元を固める」グレイスケールCEO
「ビットコインはまもなく足元を固めると考えている」とグレイスケール・インベストメンツのCEO、マイケル・ソンネンシャイン(Michael Sonnenshein)氏は述べた。業界大手の同社の運用資産残高は250億ドル(約3兆2000億円)を超える。
暗号資産先物で5.2億ドル超の清算──イーサリアム先物が半分近く
ビットコインとイーサリアムは26日、暗号資産市場のセンチメントが弱まるなか、過去24時間にきわめて重要なサポートレベルを失った。こうした値動きにより、暗号資産先物市場では5億2000万ドル(約660億円)を超えるリクイデーション(清算)が発生した。
イーサリアム先物は約2億3600万ドル、ビットコイン先物は約1億2500万ドルを失った。
|文・編集:coindesk JAPAN編集部
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