暗号資産(仮想通貨)企業は2021年、過去最高となる300億ドル(約3兆8000億円)のベンチャーキャピタル(VC)投資を集めた。また、投資件数も依然として高水準にあると米投資銀行のモルガン・スタンレーは30日に発表したレポートで述べた。だが、投資額は他業界の傾向を反映して低下する可能性が高いという。
暗号資産関連のVC投資件数は2021年12月にピークを迎えたが、年末までに50%下落する可能性があると同行は述べた。
投資の減速は、「過去12カ月で最も重要な8つのVC指標市場の動きがピークから50%低下したこと、複数の大手テック/暗号資産投資家のパフォーマンスが悪化していること、2018〜19年と同様に暗号資産の弱気相場によってトークン投資と株式投資における「ツーリスト・キャピタル」のエグジットが困難になっていること」から予想されていると同行は述べた。
米ドルの大きな流動性と暗号資産価格の上昇は2021年、暗号資産業界への記録的なVC投資を促進し、取引件数は1800件を超えたという。前年から160%超の増加で、暗号資産業界への投資は、グローバルな全VC投資の約7%を占めた。
モルガン・スタンレーによると、2020年前半は、ほとんどのVC投資が暗号資産インフラと金融サービス、2020年後半から2021年半ばは分散型金融(DeFi)アプリケーションに案件が集中し、2021年末から2022年にはNFT(ノンファンジブル・トークン)とゲーム会社が最も投資を集めたと指摘した。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
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|原文:Morgan Stanley Says Record Crypto Venture Capital Investment to Slow