ビットコイン(BTC)は6月2日、暗号資産市場が依然として不安定な取引状況となるなか、おおむね3万ドル前後の横ばいで推移した。テクニカル指標は過去1週間を見ると中立になっている。
一部のアルトコインはビットコインを上回った。インターネットコンピューター(ICP)は24時間で20%上昇、カルダノ(ADA)は4%上昇した。一方、ソラナ(SOL)はネットワーク障害の後、24時間で2%下落した。
規制面では、米商品先物取引委員会(CFTC)がGemini Trust Co.を訴えた。同社が2017年にビットコイン先物の取引を開始しようとした際にCFTCを欺いたとしている。
ジェミニの件は、取引所データと市場操作の恐れに関する懸念を浮き彫りにしている。例えば、米証券取引委員会(SEC)は、ボラティリティ、詐欺、価格操作に関する問題を理由に、現物ベースのビットコインETF(上場投資信託)の申請を依然として認めていない。
最新価格
●ビットコイン:30,300ドル、+0.90%
●イーサリアム:1,823ドル、+0.35%
●S&P500:4,177、+1.84%
●ゴールド:1,873ドル、+1.62%
●米国10年債利回り:2.91%
弱気相場で取引停滞
ビットコイン・ブロックチェーンのアクティブ・エンティティとアドレスは、2018年の弱気相場の時と同様に減少している。
ブロックチェーンの動きは、テラ(LUNA)が引き起こした市場下落の間、投資家が損失をカバーしようとしたため一時的に上昇した。こうした動きを一部のアナリストは、キャピチュレーション(損切り)の初期サインと捉えた。
「最近の売りと価格下落は、まだ新しいユーザーの流入を引き起こしていない」とデータサイトのGlassnodeはブログに記した。
一方、既存のエンティティ(おそらく長期保有者)は、特にこの2週間、下落局面で買いに動いた。それでも、買い集めのレベルは以前に比べれば小さい。
マイナーはビットコインを売却
ビットコインマイナー(マイニング事業者)は、今年はじめに比べるとスローペースとはいえ、今回の価格下落で保有するビットコインを売却している。だが、こうしたマイナーの動きが、ビットコイン価格にどのような影響を与えるかはまだわからない。
アルトコイン
●ソラナ、ダウン:ソラナ(Solana)ブロックチェーンは、あまり一般的ではないタイプのトランザクションを処理する方法にバグがあり、4時間以上ダウンした。ソラナ・ラボ(Solana Labs)のコミュニケーション・チーフ、オースティン・フェデラ(Austin Federa)氏は、バリデータは「durable nonce transaction」を無効にし、ネットワークを再開したと述べた。ネイティブトークンのソラナ(SOL)は過去1週間、ビットコインの3%上昇に対し、9%下落している。
●Alchemy、ソラナに進出:ブロックチェーン開発プラットフォームのアルケミー(Alchemy)は、ソラナ(Solana)エコシステムにサービスを拡大していると述べた。リリースによると、ベータ版が公開済みで、数週間以内に一般公開される予定。Alchemyは、オープンシー(OpenSea)、アーベ(Aave)、0xといった人気のWeb3サービスの開発に使用された。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Glassnode
|原文:Market Wrap: Cryptos Mixed Amid Choppy Trading, Bitcoin Activity Slows