今週のトップニュースをダイジェストで振り返ります。
日本がステーブルコインで改正法
法定通貨などに連動するステーブルコインを規制する改正資金決済法が6月3日、成立した。1年以内に施行される。発行者は、銀行や資金移動業者、信託会社と定められた。
ステーブルコインは、暗号資産(仮想通貨)のグローバル市場では取引の多くに利用されており、流通規模で最大となるのが「USDT」と「USDC」で、いずれもノンバンクのテザー社とサークル社が発行している。
タイの大手銀行、DeFiで利回り獲得へ── 機関投資家向けDeFiサービスを利用
タイの大手銀行であるサイアム商業銀行(SCB)は、分散型金融(DeFi)プロジェクト「Compound(コンパウンド)」の機関投資家向けサービス「Compound Treasury」を使って利回り獲得を目指す。2020年初めに設立された同行のデジタルベンチャー子会社「SCB 10X」が、Compound Treasuryに資金を預け入れるという。
ビットコイン、9週連続下落を経て底打ちサイン
ビットコインは30日、アジア取引時間中に24時間で5.6%上昇して3万ドルを超え、ビットコイン史上初めてとなる9週連続の下落を記録したあと、回復のサインを示した。
ビットコインは先週、3月下旬の4万8160ドルから2万9600ドルまで下落していた。
暗号資産企業へのVC投資、減速を予想──2021年は過去最高300億ドル:モルガン・スタンレー
暗号資産(仮想通貨)企業は2021年、過去最高となる300億ドル(約3兆8000億円)のベンチャーキャピタル(VC)投資を集めた。また、投資件数も依然として高水準にあると米投資銀行のモルガン・スタンレーは30日に発表したレポートで述べた。
暗号資産関連のVC投資件数は2021年12月にピークを迎えたが、年末までに50%下落する可能性があると同行は述べた。
阪神タイガース、球団初のNFT「Tigers Gallery」を提供──NTTドコモとAI活用
プロ野球の阪神タイガースは6月3日から、選手カードや名場面シーンなどを扱うNFTサービス「Tigers Gallery」提供すると発表した。同球団のNFT事業は初めてだという。
イーサリアム、ガス代低下──「The Merge」に影響か
ドライバーは高いガソリン代に不満を漏らしているが、暗号資産トレーダーには逆の現象が起きている。イーサリアム・ブロックチェーンのガス代(取引手数料)は過去最低水準になっている。
データを見ると、平均的な取引手数料は現在約3.70ドル。年初は、38ドル〜52ドルだった。
サイバーエージェント子会社、NFTプロジェクトを発表──CA GameFiが展開
サイバーエージェント子会社のCA GameFiは5月31日、NFTプロジェクト「Project TB(プロジェクト ティービー)」を展開すると発表した。同日、ティザーサイトを公開した。
今後、サイバーエージェントのゲーム事業での関係先である国内大手版元とのIPコラボレーションを予定する。新たに展開するNFTプロジェクトでは、10億円以上の初期投資額を見込んでいる。
LINE、デジタル証券の販売開始──第1弾は個人向け社債
LINE証券は5月31日、国内で初となる個人向け公募引受型デジタル社債を販売すると発表した。一般的な個人向け社債に比べて、小口で購入できるデジタル債の投資機会を提供することで、顧客基盤の拡大を狙う。
三井物産:金連動の暗号資産、購入額が1億円を突破──開始3カ月強で
三井物産子会社の三井物産デジタルコモディティーズは5月31日、金価格に連動する暗号資産「ジパングコイン(Zipangcoin)」の購入額が1億円を超えたことを明らかにした。
2月17日から販売を開始し、3カ月強で払込総額が1億円を突破した。三井物産の辰巳喜宣氏は、「既存の環境では順調な推移」だとしている。
ポリゴン、インドでの投資や助成金に対するKYC強化
レイヤー2スケーリングソリューションのポリゴン(Polygon)は、インドの潜在的パートナーに資金や投資、助成金、あるいは財務支援を提供するために、詳細なKYC(顧客確認)を求めていると、この件に詳しい関係者は語った。
イーサリアム(Ethereum)ブロックチェーンのサイドチェーンであるポリゴンは、規制当局の監視が強化されている今、「きわめて高いコンプライアンス」を求めているという。
ビットコインマイナー、保有するビットコインを売却
マイナーから暗号資産(仮想通貨)取引所へのビットコインの移動額は、1月以来の高水準となったとCompass Miningは1日、レポートに記した。
ビットコインのマイニングは、ビットコイン価格が下落傾向にあるため収益性が低下、ビットメイン(Bitmain)のアントマイナー(Antminer) S9などの人気マイニングマシンは、1キロワット時あたり6セントの電力料金で利益が出なくなっている。
バイナンスラボ、650億円調達──Web3、ブロックチェーン企業対象の投資ファンド設立
暗号資産取引所バイナンス(Binance)のVC部門、バイナンスラボ(Binance Labs)は、Web3やブロックチェーン企業に投資するファンドを設立するために5億ドル(約650億円)を調達した。
「新たに資金調達を行った投資ファンドの目標は、DeFi(分散型金融)、NFT、ゲーム、メタバース、ソーシャルなどに広がるWeb3を構築・リードし得るプロジェクトや創業者を発見・支援すること」とバイナンスCEOのチャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao)氏は述べた。
FTX創業者が「ギビング・プレッジ」に署名──資産の半分以上の寄付を誓う
暗号資産(仮想通貨)取引所FTXの創業者、サム・バンクマン-フリード氏が「ギビング・プレッジ(Giving Pledge)」に署名した。ギビング・プレッジは、世界有数のビリオネアが保有資産の半分以上を慈善事業に寄付することを誓うものだ。
バンクマン-フリード氏の財産は、フォーブスによると210億ドル(約2兆7000億円)。
Gaudiyがバンダイナムコ、KDDIなどから25億円を調達──Web3メタバース事業を加速
ブロックチェーン技術を活用して、エンターテインメントのデジタル化を支援するGaudiy(ガウディ)が、25億円の資金を調達した。事業のグローバル化と、メタバース(仮想空間)に関連するビジネス開発を加速させる。
累計調達金額は28億円となるが、同社は今夏にも追加調達を行う計画だ。
米コインベースとジェミニが人員削減──世界中の取引所がコストカット
アメリカでは、コインベース(Coinbase)が2日、人員削減を発表。「当面の間、新たな役割と補充のための人材採用を停止する。また多くの内定を取り消しにする」と人事責任者のL.J.ブロック(L.J.Brock)氏はブログに記した。
同様に、暗号資産取引所ジェミニ(Gemini)も2日、スタッフの10%、約100人を解雇すると発表。創業者のウィンクルボス兄弟は、暗号業界は今、「暗号の冬」とも呼ばれる「静止期間に移行しつつある収縮期」にあると述べた。
ビットコイン売却に動くマイナー──ライオット・ブロックチェーンの場合
ライオット・ブロックチェーン(Riot Blockchain)は5月、466ビットコインをマイニングした。4月からは約8%減となったが、前年同月からは2倍以上。そして同社は5月に250ビットコインを売却し、約750万ドル(約9億7000万円)を調達した。
同社は4月に250ビットコイン、3月に200ビットコインを売却しており、3カ月連続の売却となった。
|文・編集:coindesk JAPAN編集部
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