ビットコイン(BTC)ファンドは2週連続で資金流入となり、投資家が暗号資産(仮想通貨)市場の不透明な先行きに対処するなか、他の暗号資産ファンドを上回った。
コインシェアーズ(CoinShares)が6月6日発表したレポートによると、ビットコインファンドは6月3日までの1週間、1億2590万ドル(約166億円)の流入超となり、年初からの純流入は5億600万ドルに達した。暗号資産ファンド全体では1億ドルの流入超となり、これは、ビットコインファンドへの資金流入が他の暗号資産ファンド、すなわちアルトコインファンドの資金流出をカバーしたことを意味する。
コインシェアーズのリサーチ責任者、ジェームズ・バターフィル氏は「投資家は、相対的に安全なビットコインに集まっている」ことのサインと語った。
金融市場が高止まりするインフレ、世界中の中央銀行による金利引き上げ、景気後退懸念の高まりに対応して、一部の投資家は、暗号資産をはじめとするリスク資産への投資を減らしている。
ビットコインは、他の多くの暗号資産よりもリスクが低いと考えられており、ビットコインのドミナンスは年初から上昇している。ビットコイは先週、2万9000ドル〜3万2000ドルのレンジ相場となり、当記事執筆時点では3万1259ドルとなっていた。
イーサリアム(ETH)ファンドはマイナスの連鎖が続き、9週連続の資金流出。3200万ドルを流出超となり、年初からの資金流出は3億5700万ドルとなった。
ビットコインの下落から利益を得ることを目的としたショート・ビットコインファンドは130万ドルの流入超。複数の暗号資産に投資するマルチアセットファンドは430万ドルの流入超、年初からの資金流入は2億100万ドルとなり、投資家の分散投資に対する需要を浮き彫りにした。
ビットコインやイーサリアム以外の暗号資産ファンドには大きな動きはなかった。ソラナ(SOL)ファンドは0.2億ドル、エックスアールピー(XRP)ファンドの0.1億ドルの流入超だった。
地域別では、アメリカ大陸のファンドが8800万ドルの流入超となり、大部分を占めた。一方、ヨーロッパのファンドは1100万ドルの流入超で「ヨーロッパの投資家は今年、年初から大きく弱気」という傾向が続いているとレポートは付け加えた。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinShares
|原文:Bitcoin Funds Rake In New Money as Altcoin Funds Suffer