ビットコイン(BTC)は週初めに3万1700ドル付近まで上昇した後、8日は3.1%下落して3万100ドル付近となった。イーサリアムは、1.4%下落の1790ドル付近。
暗号資産と株式の双方のアナリストは、現地時間9日に行われる欧州中央銀行(ECB)の金融政策会議の結果を見据えていた。FXブローカーのOandaのシニア・マーケットアナリスト、エドワード・モヤ(Edward Moya)氏は「ECBによるアグレッシブな引き締めを織り込み始めている」と述べた。「コンセンサストレード(共通認識による取引)は、今年下半期はドル安になるというもの。FRBの動きではなく、主に世界中の中央銀行の動きが原因となるだろう」。
アルトコインでは、チェーンリンク(LINK)が7日に新しいロードマップを発表したことを受けて、過去5日間で25%上昇。だが8日時点では上昇は頭打ちのようだ。
株式市場は、原油が1バレル120ドルを超えて上昇したため、下落した。
最新価格
●ビットコイン:30,216ドル、+0.11%
●イーサリアム:1,791ドル、-0.92%
●S&P500:4,115、-1.11%
●ゴールド:1,853ドル、+0.30%
●米国10年債利回り:3.03%
ビットコインと株式の相関関係、弱まる
この数カ月、ビットコインは米株式市場、特にテクノロジー株と連動するように取引され、多くの機関投資家が暗号資産に関心を向けた。だが最近、相関関係は弱まっているようだ。
ジェネシストレーディング(Genesis Trading)が今週発表したマンスリーレポートによると、ビットコインとS&P500の60日相関関係はこの1カ月、低下している。
「市場はまだテラ(Terra)エコシステムの崩壊からの下落に対処している。新たな資金調達、イーサリアムのThe Mergeの進展、機関投資家の受け入れの拡大、適用範囲の継続的な広がりといった強力な追い風は、センチメントを違う方向にシフトし、暗号資産の相対的な若さ、成長可能性と技術志向を浮き彫りにする可能性がある」(レポート)
相関関係の低下がビットコインにとってプラスなのか、マイナスなのかはわからない。しかし暗号資産トレーダーには、楽観的になれる理由があるという。つまり「伝統的な市場が悪化する経済状況および依然として不確かな(金利)見通しに対処している」一方で、ビットコインはそうした状況からフリーになるかもしれない。
アルトコイン
●イーサリアム、PoSに向け進展:イーサリアム・ブロックチェーンは8日、プルーフ・オブ・ワーク(PoW)で稼働していたテストネット「Ropsten」を、プルーフ・オブ・ステーク(PoS)で稼働しているビーコンチェーン(Beacon Chain)に統合することに成功した。このプロセスは、(すべてがうまくいけば)わずか数カ月後にはイーサリアムのメインネットワークで実行されることになる。
●ニューヨーク州の規制当局、ステーブルコインに関する新ルール: ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)は、ステーブルコインに関する初の正式なガイダンスを発表した。ニューヨーク州で取引されるステーブルコインは、特定の資産によって完全に裏付けられ、これらの資産は発行者の運用資金から分離され、定期的に監査を受けなければならない。テラUSD(UST)の崩壊を受け、ステーブルコインに対する監視は強くなっている。
●テラ崩壊で暗号資産の普及は遅延:米大手銀行のシティバンクは、テラ崩壊が暗号資産の普及を遅らせたとレポートで述べた。暗号資産テラ(LUNA)が暴落した際に暗号資産の取引高とアクティブアドレスが急増したが、その後は以前のレベルに戻るか、さらに低くなっていると指摘した。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Genesis Trading
|原文:Market Wrap: Is Bitcoin Breaking Down or Breaking Free?