3回目の暗号資産の冬はチャンス:フィデリティCEO【Consensus 2022】

フィデリティ・インベストメンツ(Fidelity Investments)会長兼CEOのアビゲイル・ジョンソン(Abigail Johnson)氏は、9日に開幕した米CoinDeskのイベント「コンセンサス 2022(Consensus 2022)」で聴衆に実践的なアドバイスを提供しつつ、暗号資産(仮想通貨)の長期的なファンダメンタルズに対する信念は強いままだと述べた。

「私にとって3回目の暗号資産の冬だと考えている。多くのアップダウンがあったが、私はチャンスと捉えている」とジョンソン氏は弱気相場について語った。

「私は逆張り投資家として育ってきたので、無条件に次のように反応する。すなわち、長期案件のファンダメンタルズが本当に強いと信じているなら、他の誰もが手を引いているときこそ、大きく投資し、いっそう激しく取り組むときだ」

誤解のないように言うと、ジョンソン氏は最近の急激な下落について楽観的には見えなかった。「失われた価値を考えると恐ろしいが、私はまた、暗号資産業界には多くの可能性があると信じている」。

ジョンソン氏の祖父が第二次世界大戦が終わった翌年の1946年に設立されたフィデリティは、2018年10月にフィデリティ・デジタル・アセット(Fidelity Digital Assets)という別法人を設立している。だが同社の(特にジョンソンの)ビットコインとの関わりは、2014年頃のビットコインの初期まで遡るという。

「金融と富の移動に対するまったく新しいアプローチ」に魅せられて、フィデリティはビットコインの「52のユースケース」を考え出したが、そのほとんどは複雑で、棚上げされることになったと同氏は振り返った。

またジョンソン氏は、早い段階でビットコインマイニングへの参入を決めたと語った。「マイニングを本当にやりたかった。エコシステム全体を理解し、実際に動かしている人たちと一緒に仕事をし、すべて理解したかった」。

マイニングマシンに約20万ドルを費やす計画を立てたが、当初は財務部門に拒否され、「これは何? 中国からたくさんの箱を買いたいのか?」と言われたとジョンソン氏は語った。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:フィデリティ・インベストメンツ会長兼CEOのアビゲイル・ジョンソン氏(Suzanne Cordiero)
|原文:Fidelity’s Abigail Johnson Reaffirms Crypto Commitment in Bear Market