トロン(Tron)ブロックチェーンのステーブルコイン、Decentralized USD(USDD)は13日、ドルペッグを逸脱し、91セントまで下落した。
トロン創設者のジャスティン・サン(Justin Sun)氏は、暗号資産トロン(TRX)のショートの資金調達率が、暗号資産取引所バイナンスでマイナス500%に達しているとツイートした。この桁外れの数字は、多くの投資家がTRXをショートしようとしていることを示している。サン氏によると、トロンDAO(TronDAO)は「ショートに対抗するために20億ドルを投入する」。
Funding rate of shorting #TRX on @binance is negative 500% APR. @trondaoreserve will deploy 2 billion USD to fight them. I don't think they can last for even 24 hours. Short squeeze is coming. pic.twitter.com/VRExM6UK70
— H.E. Justin Sun 🅣🌞🇬🇩 (@justinsuntron) June 13, 2022
またトロンDAOは、6億5000万ドルのUSDコイン(USDC)を準備金に追加したとツイートしている。
USDDは、トロンブロックチェーンのアルゴリズム型ステーブルコイン。トロン(TRX)との精巧な自動バランシングメカニズムによってドルペッグを維持している。また、トロン、ビットコイン、テザー(USDT)やUSDコインをトロンDAOが準備金として保有している。
この仕組みは、約1カ月前にドルペッグを失い、最終的に400億ドルの市場価値を崩壊させたテラ(Terra)ブロックチェーンのステーブルコイン、テラUSD(UST)に不気味なほど似ている。
USDDはTradingViewによると13日朝、暗号資産取引所KuCoinで91セントまで下落した。
トロンDAOの公式サイトによると、USDDの準備金は約20億ドル。一方、USDDの流通供給量は7億2300万ドルで、準備金でUSDDを購入し、支えるだけの資本を保有しているようだ。
当記事執筆時点、USDDは99セント前後で取引されており、まだドルペッグを回復していない。暗号資産トロン(TRX)は過去24時間で17%下落している。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:ジャスティン・サン氏(Flickr/CoinDesk)
|原文:Tron’s Stablecoin Peg to Dollar Wobbles; Justin Sun Swears to Deploy $2B to Prop Up