ビットコイン(BTC)は13日夜に30カ月ぶりの安値となる2万834.50ドルまで下落した後、やや回復したが14日、過去24時間で5%以上下落した。週はじめの15%の下落は、2020年3月12日の新型コロナウイルス感染拡大による下落以降、最大の下落となった(日本時間15日11時頃には、2万2000ドル付近で横ばいとなっている)。
ビットコインのみならず、ほぼすべての暗号資産が下落し、アーケーン・リサーチ(Arcane Research)が14日にレポートで指摘したように、株式市場の下落に追随している。
「金融刺激策の約10年と急速なマネーサプライの成長は終わり、市場参加者は初めて資金を奪われた」と、ファンドストラット・グローバル・アドバイザーズ(Fundstrat Global Advisors)のショーン・ファレル(Sean Farrell)氏はCoinDesk TVでコメントした。「価格が上昇し始め、反発を確信する以前に、インフレが抑制される必要があるだろう」。
ウォール・ストリート・ジャーナルは13日、米連邦準備理事会(FRB)はFOMC(米連邦公開市場委員会)終了後に0.75%の利上げを行うだろうと伝えた。
ゴールドマン・サックスのエコノミストは、6月と7月に0.75%、9月に0.5%、11月と12月に0.25%の利上げが行われると予想している。
現在、ビットコインのFear and Greed Indexは「8」に達し、「極度の恐怖」を示している。指標は、56カ月連続で「極度の恐怖」に入っているが、これは2020年3月以来となる。
最新価格
●ビットコイン:22,185ドル、-4.99%
●イーサリアム:1,206ドル、-3.12%
●S&P500:3,735ドル、-0.38%
●ゴールド:1,809ドル、-1.04%
●米国10年債利回り:3.48%
セルシウス(CEL)、一時8倍に急騰
暗号資産レンディング大手セルシウス(Celsius)の暗号資産セルシウス(CEL)は、FTXのデータによると、一時、30セントから2.57ドルまで8倍に急騰し、その後、約54セントに下落した。だがセルシウスが「極端な市場状況」を理由に12日に資金引き出しの停止を発表し、価格が下落する前の35セントからは上昇している。
セルシウスの財務状況をめぐる懸念は、市場に波紋を投げかけている。
アルトコイン
●イーサリアムの低迷は2018年の「暗号資産の冬」に類似:最大のアルトコイン、イーサリアム(ETH)はビットコイン(BTC)のパフォーマンスを下回っている。これはまさに2018年の低迷期に見られたことだと米モルガン・スタンレー(MS)は6月13日、レポートで述べた。
「イーサリアム/ビットコイン(ETH/BTC)の低下は、暗号資産市場のより広範な熱気が薄れているサイン」であり、ビットコインよりも価格変動が大きいアルトコインから資金が逃げ出しているという。イーサリアムは2021年11月の最高値から約75%下落している。
●暗号資産先物、10億ドル超の清算:暗号資産先物市場は主要暗号資産が概ね15%以上下落したため、過去24時間で10億ドル(約1340億円)超の損失となった。ビットコインが5億3200万ドル以上を占め、次いでイーサリアムが約3億1700万ドル、ソラナ(SOL)が約2000万ドル。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Market Wrap: BTC Tumbles Further Ahead of Fed Meeting; Extreme Fear Among Traders