セルシウスのトラブルとテラUSDの崩壊は長期的メリット:米リサーチ会社FSInsight

厳しいマクロ経済環境と行き過ぎた利回り戦略の組み合わせによってこの数日、結果的に暗号資産(仮想通貨)は下落を強いられ、2000億ドル(約27兆円)以上の価値が失われたと米リサーチ会社のFSInsightは14日、レポートで述べた。

「テラUSD(UST)とセルシウス(Celsius)の失敗は、業界にとっては長期的に建設的」と同社デジタル資産戦略の責任者、ショーン・ファレル(Sean Farrell)氏は記している。

「こうした無知な取り組みの失敗は、伝統的な金融業界ではしばしば見過ごされている(つまり、解消に非常に長い時間がかかる)」が、幸運なことに暗号資産市場は「速いペースで改善を繰り返す」というアドバンテージがあるという。

「セルシウスに関しては、利回り戦略が本来よりも良過ぎたのであれば、それはおそらく、そうである必要があったからだ」とFSInsightは述べ、さらに暗号資産レンディング事業者は「顧客資産に対して“リスクフリー”な利回りを宣伝することで悪名高い」と付け加えた。

レポートによると、資産を所有していると思っていた多くのセルシウスのユーザーは、市場のボラティリティが大きくなった時期に資産の引き出しができないことを知った。

「厳しい環境では、レバレッジは危険な諸刃の剣となり、予期せぬ時にあなたを襲ってくることがある」

FSInsightは、今年下半期の暗号資産については依然として前向きで、中・長期投資家がより積極的にビットコイン(BTC)への投資を検討する時期としている。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:セルシウスCEOのアレックス・マシンスキー氏(CoinDesk archives)
|原文:Celsius Troubles, UST Collapse Could Have Long-Term Benefits for Crypto, FSInsight Says
※編集部より:タイトルと本文を一部修正して、更新しました。