ソラナブロックチェーン上のDeFiプロトコル「Solend」は19日、同プロトコルで最大のアカウント、いわゆる「クジラ」を強制的に管理するための投票が行われた。関係者によると、クジラは「きわめて大きなポジション」を持ち、壊滅的な清算の危機に追い込まれていた。
Solend初の前例のないガバナンス投票によって、Solend Labsは、ソラナ(SOL)価格が大きく下落した場合、通常、清算が行われる分散型取引所(DEX)ではなく、店頭(OTC)取引でクジラの資産(約2000万ドル、約27億円)を清算する「緊急権限」を付与することになる。
Solend Labsは、クジラのポジション清算がチェーン上で行われれば、ソラナのDeFi市場内に「混乱を引き起こしかねない」と述べた。店頭(OTC)取引サービスを使えば、そうした事態は避けられるだろう。だがそれは同時に、清算が発生した際にSolendが従うべきスマートコントラクトを完全に無視し、逸脱したものだ。
強制的な介入の支持者は、クジラは一般的なユーザーではないと主張。クジラがSolendに預け入れた資産は570万ソラナ、全体の95%以上を占めていた。一方で、1億800万ドルのステーブルコインを借り入れていた。
ソラナが22.30ドルまで下落すると、清算が発生し、約2000万ドルの負債が生じる。ソラナは当記事執筆時点、32.27ドルとなっていた。
「我々の努力にもかかわらず、クジラにリスクを減らしてもらうことはできず、連絡を取ることさえできなかった。クジラの無反応で事態が推移している以上、リスクを軽減するためにアクションを起こさなければならないことは明らか」と投票の提案書には書かれていた。
提案書は、トークン保有者に以下の投票を訴えた。
賛成:借入金額の20%以上を占めるクジラに対して特別な証拠金要件を制定し、清算を店頭(OTC)で実行できるようにクジラのアカウントを一時的に引き継ぐ緊急権限をSolend Labsに付与する。
反対:何もしない。
投票に参加したSolendのガバナンストークン保有者の97.5%は賛成に投票した。賛成票のガバナンストークン全体に占める割合は1.13%、採決に必要な定足数の1%をクリアした。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Solana DeFi Platform Votes to Control Whale Account in Bid to Avoid Liquidation ‘Chaos’