暗号資産(仮想通貨)市場は23日、横ばいで推移した。前日、一時2万ドルを割ったビットコイン(BTC)は23日午後までに2万900ドルまで上昇、過去24時間の安値1万9764ドルから回復した。イーサリアム(ETH)は1100ドルを超え、約5.5%上昇した。
一部のアルトコインはセンチメントの改善と、ポジティブなニュースを受けて急騰した。
ポリゴン(MATIC)は自律分散型組織(DAO)のプライバシーを向上させたことで、24時間で19%上昇。コスモス(ATOM)は分散型取引所dXdYがイーサリアムから移行し、コスモス上で独自ブロックチェーンを構築すると発表した後に12%上昇した。
株価もわずかだに上昇。S&P500は1%、ナスダックは1.5%上昇した。
最新価格
●ビットコイン:2万892ドル、+3.58%
●イーサリアム:1124ドル、+4.81%
●S&P500:3795.76、+0.95%
●ゴールド:1828ドル、-0.32%
●米国10年債利回り:3.07%、-0.088%
取引所に厳しい局面となるか
85%下落した2013年、84%下落した2017年のように、ビットコインがさらに下落するかどうかをアナリストは議論しており、2万ドルは依然としてきわめて重要な水準だ。過去と同じように下落した場合、ビットコインは1万ドル近くまで下落することになる。
低価格が一定期間続くと、暗号資産取引所にとっては厳しい局面となる可能性があると暗号資産データ会社カイコ(Kaiko)はレポートで述べた。
「価格が低いまま推移し、取引高が下がり、ヘッジファンドがポジションを巻き戻して手数料が減少すると、取引所はテストされることになる」とカイコのアナリスト、リヤド・キャリー(Riyad Carey)氏は記した。
「十分な取引高を持ち、強気市場を節度を持って過ごしたところは、おそらく嵐を乗り切ることができるだろう。一方、リスクの高いステーキング商品や投資で無責任なことをしたところは、FTXやAlamedaに買収されるか救済されない限り、つぶれるかもしれない」とキャリー氏は、ビリオネア起業家のサム・バンクマン-フリード氏が率いる2社に言及して述べた。
例えば、暗号資産先物取引所のCoinFLEXは「極端な市場環境」と特定の取引先に関する不確実性のため、出金を一時停止していると発表した。
今週初め、FTXは暗号資産レンディング大手のブロックファイ(BlockFi)に2億5000万ドル(約340億円)を融資。またAlameda Researchは暗号資産ブローカーのVoyager Digitalを救済した。
アルトコイン
●アバランチ(AVAX)、上昇:レイヤー1ブロックチェーンのアバランチは、クロスチェーンブリッジにビットコインのサポートを追加。ネイティブ暗号資産アバランチ(AVAX)は過去24時間で4.3%上昇し、ビットコインとイーサリアムを上回った。
●ボイジャー、1日の出金限度額を引き下げ:暗号資産ブローカーのボイジャー・デジタル(Voyager Digital)は、1日の出金限度額を2万5000ドルから1万ドルに引き下げた。同社は、危機に直面しているヘッジファンドのスリー・アローズ・キャピタル(3AC)に対する投資を明らかにし、3ACが期日までに融資を返済しなかった場合は「債務不履行通知」を発行する可能性があると発表している。
●NHL、NFTプラットフォームと契約:プロアイスホッケーリーグのNHL(ナショナル・ホッケー・リーグ)は、NFTマーケットプレイスを開始するために、NFTプラットフォームのSweetと複数年のパートナーシップ契約を締結した。NFLファンは、2022-2023年シーズン中にNFTを収集・取引できるようになる。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Market Wrap: Crypto Assets Stabilize as BTC Retakes $20K