国内信託銀行の暗号資産カストディが可能に、ビットコインとイーサリアムをすべて売却【6/25~7/1のトップニュース】

北米では既に、バンク・オブ・ニューヨーク・メロンなどの大手信託銀行が暗号資産のカストディ業務を行っている──今週のトップニュースをダイジェストで振り返ります。

価格下落に投資するショート・ビットコインETFが人気──米No.2のBTC関連ETFに

暗号資産(仮想通貨)の下落から利益を得ることを目的としたビットコインETF(上場投資信託)が人気を集めており、わずか数日で、ビットコイン関連のETFとしては、米国市場で2番目に大きいETFとなった。

プロシェアーズ・ショート・ビットコイン・ストラテジー(ProShares Short Bitcoin Strategy)ETF(ティッカー:BITI)は、23日に544.2ビットコイン、約1100万ドル(約14億9000万円)を集め、2番目の規模を持つビットコイン関連ETFになったとアーケーン・リサーチのアナリスト、ベトル・ランゲ(Vetle Lunde)氏はツイートした。

スリーアローズの「ネズミ講」的運用を非難──調査会社FSInsightがレポート

調査会社FSInsightは、暗号資産ヘッジファンド「スリー・アローズ・キャピタル」(Three Arrows Capital:3AC)の破綻の影響をまとめた24日のレポートの中で、暗号資産業界は「LTCM(ロングターム・キャピタル・マネジメント)を破綻させた取引と同じような、バーナード・マドフが行った昔ながらのネズミ講(ポンジ・スキーム)」にこの数週間で屈服させられたと述べた。

ゴールドマン・サックス、セルシウスの資産購入に向け20億ドル調達か

米投資銀行ゴールドマン・サックスは、財務危機に直面している暗号資産レンディング大手のセルシウス(Celsius)から資産を買い取るために、投資家から20億ドルを調達しようとしていると2人の関係者は語った。

セルシウスが破産申請を行う事態になった際に、資産を安価に取得することが目的という。ウォールストリートジャーナルは24日、セルシウスは企業再建コンサルティングを手がけるAlvarez & Marsalと話をしていると伝えている。

暗号資産ヘッジファンドが債務不履行、ボイジャー・デジタルが発表

暗号資産ブローカーのボイジャー・デジタル(Voyager Digital)は27日、財務危機に直面している暗号資産ヘッジファンドのスリー・アローズ・キャピタル(Three Arrows Capital :3AC)に対して「債務不履行通知」を発行した。同ヘッジファンドが1万5250ビットコイン(BTC)と3億5000万ドル相当のUSDコイン(USDC)による合計約6億7000万ドル(約908億円)の融資について必要な支払いを行わなかったためだ。

スリー・アローズに清算の裁判所命令──債務超過の暗号資産ファンド

暗号資産ヘッジファンドのスリー・アローズ・キャピタル(Three Arrows Capital:3AC)は27日、英領バージン諸島の裁判所から清算を命じられたと関係者が米CoinDeskに語った。

2012年にSu Zhu氏とKyle Davies氏が設立した3ACは、最近の暗号資産市場の急激な下落から大きな損失を被っている。同社は少なくとも4億ドルの清算に直面し、6月中旬には債務超過の可能性が報じられた。

イーサリアムのPoS移行でGPU需要は低下:モルガン・スタンレー

イーサリアムブロックチェーンがプルーフ・オブ・ステーク(PoS)に移行すれば、マイニング機器の必要性はなくなり、GPU(グラフィックス・プロセッシング・ユニット)の需要は低下すると米投資銀行のモルガン・スタンレー(Morgan Stanley)は27日、レポートで述べた。

米コインベースを「売り」に格下げ:ゴールドマン・サックス

米投資銀行ゴールドマン・サックスは27日、暗号資産取引サービスを手がける米コインベース(Coinbase)の格付けを「中立」から「売り」に、目標株価を70ドルから45ドルに引き下げた。

格下げは暗号資産価格の継続的な低下と、それに伴う業界の活動レベルの低下のため。コインベースの株価は市場前取引で5.7%下落し、59.40ドルとなった。

アルゼンチン税関が30億円相当、2233台のマイニングマシンを押収

アルゼンチンの税関は2233台の暗号資産マイニングマシンを押収。マシンは、実際の価値よりも約500万ドル(約6億8000万円)高い金額で不正に輸入されたとしている。現地紙が28日、報じた。

「暗号資産の冬」でも投資家の関心は凍らない:バンカメ

いわゆる「暗号資産の冬」に対する懸念は、この分野に対する投資家の関心を凍らせるものではない。バンク・オブ・アメリカ(Bank of America)は28日、レポートで述べた。レポートは先週開催された同行のカンファレンス「Web3 & Digital Assets Day」をまとめたものだ。

同行によると、一部の講演者は最も革新的なプロジェクトは過去の市場低迷期に開発されており、最近の下落は痛みを伴うが「長期的にはエコシステムの発展にとって健全である可能性が高い」と指摘した。

ビットコインとイーサリアムをすべて売却──カナダの投資会社Cypherpunk Holdings

カナダの投資会社サイファーパンク・ホールディングス(Cypherpunk Holdings)は現状の市場リスクを乗り切るため、保有していたビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)をすべて売却した。

同社の28日の発表によると、214.7203ビットコインを約470万ドル(約6億4000万円)相当、205.8209イーサリアムを約22万7000ドル(約3090万円)相当で売却し、合計490万ドル(約6億7000万円)強を手にした。

フォビ、人員の30%以上を削減か

暗号資産(仮想通貨)取引所フォビ・グローバル(Huobi Global)は、中国人ユーザーをブロックしたことで収益が急落し、従業員の30%以上を削減する可能性がある。中国の暗号資産ジャーナリスト、コリン・ウー(Colin Wu)氏が28日、ツイートした。

Polygonが東京・原宿で開発者イベント──重要市場の日本で利用拡大狙う

イーサリアムを拡張するブロックチェーンとして注目されているPolygon(ポリゴン)が7月1日〜3日までの3日間、東京・原宿で開発者向けイベント「Tokyo Hacker House」を開催する。

エンジニア向けのハッカソン、トークセッション、ベンチャーキャピタリストとの交流イベントを通じ、ポリゴン上のdApps開発を加速させる。

SEC、グレイスケールの申請却下──ビットコインETFへの転換を認めず

米証券取引委員会(SEC)は29日、グレイスケール・インベストメンツが申請していた「グレイスケール・ビットコイン・トラスト(Grayscale Bitcoin Trust:GBTC)」の現物(スポット)ベースのビットコインETF(上場投資信託)への変更申請を却下した。

グレイスケールがSECを提訴──ビットコインETFの申請却下で

グレイスケールは主力商品のビットコインETF転換申請が却下されたわずか1時間後、米証券取引委員会(SEC)を提訴した。

「グレイスケールは、投資家を保護し、公正で秩序ある効率的な市場を維持し、資本形成を促進するというSECの役割を支持、信頼している。そして、ビットコインのスポットETFのアメリカ市場への登場を拒否し続けるSECの決定には深く失望し、まったく同意できない」とCEOのマイケル・ソンネンシャイン氏は声明で述べた。

暗号資産の下落、システムの複雑さが原因で継続:ドイツ銀行

暗号資産市場の大幅な下落は、システムの複雑さが原因となって継続する可能性があるとドイツ銀行は29日、レポートで述べた。

価格を安定させることは「株式システムにあるような共通の評価モデル」がないため困難という。さらにレポートによると、暗号資産市場はきわめて断片化している。

FTX、BlockFiを2500万ドルで買収か──昨年3月には30億ドルの評価額

暗号資産(仮想通貨)取引所FTXは財務問題に直面している暗号資産レディング大手ブロックファイ(BlockFi)を2500万ドル(約34億円)で買収するようだ。関係者によると交渉は最終段階にあるという。CNBCなどが30日に伝えている。

エルサルバドル、80ビットコイン購入──1BTCあたり1万9000ドル

エルサルバドルのナジブ・ブケレ(Nayib Bukele)大統領は30日、80ビットコイン(BTC)を1ビットコインあたり1万9000ドルで購入したと述べた。

「ビットコインは未来! 安く売ってくれてありがとう」とブケレ大統領は、40件の購入(合計152万ドル、約2億600万円)を示すスクリーンショットとともにツイートした。

STEPNの分散型取引所(DEX)、ソラナ最大規模に

「move-to-earn(歩いて稼ぐ)」ゲーム「STEPN」の分散型取引所(DEX)がソラナ(Solana)ブロックチェーンで最大のDEXとなった。ソラナのDeFi(分散型金融)プラットフォームのSolendの匿名の創業者が30日、ツイートした。

Dune Analyticsのデータによると、STEPNの独自DEX「DOOAR」の1日あたりのアクティブユーザーは約7万7000人、ソラナのDEX「Orca」を超えた。

暗号資産広告の違反の92%はインフルエンサー絡み:インドの自主規制団体

暗号資産広告での違反の92%以上にはセレブではなくインフルエンサーが関わっていたとインド広告基準評議会(Advertising Standards Council of India:ASCI)はレポートに記した。同評議会はインド広告業界の自主規制団体。

協議会のマニシャ・カプーア(Manisha Kapoor)CEOは「我々は2022年1月〜5月までに寄せられた、暗号資産に関する広告の苦情を453件を調査した。そのうち、インフルエンサーが関わっていたものは447件。419件は修正が必要で、インフルエンサーに正式に通知した」とメールでコメントした。

国内の信託銀行、暗号資産のカストディが可能に──内閣府令が改正へ

内閣府令が早ければ今秋にも改正され、日本国内の信託銀行による暗号資産(仮想通貨)の管理が可能になる。

国内において、ビットコイン(BTC)やイーサ(ETH)などの暗号資産のカストディ業務は、信託会社のみが対応でき、信託銀行による管理は禁止されてきた。府令の改正後、信託銀行はそれぞれが個別の手続きを行い、管理体制の確認を当局が行った上で、暗号資産のカストディ業務が可能となる。

|文・編集:coindesk JAPAN編集部
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