ビットコイン(BTC)は11日、先週の上昇分を逆にたどり続け、心理的に重要な2万ドルに向け、4日連続で下落。24時間で1.8%下落し、2万500ドル付近となった(日本時間12日11時頃には、2万ドルを割り、1万9900ドル付近)。
先週は2万2000ドルを超えたものの、ビットコインは上昇に失敗し続けている。それでも、一部のアナリストは回復に楽観的だ。
「ビットコインは今、長期的な成長に自信を持つ買い手から支持を得ている。そして、もう1つのサポート要因は、下半期を迎えて買いが増えている金融市場の反発だ」とFxProのシニア・マーケットアナリスト、アレックス・カプチケヴィッチ(Alex Kuptsikevich)氏はコメントした。
13日に発表予定の6月の米消費者物価指数(CPI)は、米連邦準備理事会(FRB)の強硬な金融政策が物価上昇のペースを遅らせることができたかどうかを判断する指標となるだろう。万一、投資家の予想を上回るインフレ率となった場合、伝統的市場と暗号資産市場は再び、ともに下落するかもしれない。
EToroのマーケットアナリスト、サイモン・ピータース(Simon Peters)氏は「イーサリアムにも注目」していると述べた。イーサリアム(ETH)は、プルーフ・オブ・ワーク(PoW)からプルーフ・オブ・ステーク(PoS)への移行、いわゆる「The Merge」が迫っている。
「PoS移行が価格に与える影響を予測することはできないが、理論的には保有者に売却することよりもステーキングすることを促すため、デフレになる」(ピータース氏)
イーサリアム(ETH)は24時間で2.7%下落。ほとんどのアルトコインは11日に下落し、特にユニスワップ(UNI)は8.4%下落した。
最新価格
●ビットコイン:20,495ドル、-1.8%
●イーサリアム:1,141ドル、-2.7%
●S&P500:3,854.47、-1.2%
●ゴールド:1,730ドル、-0.6%
●米国10年債利回り:2.99%、-0.1%
ファンド:イーサリアムとショート・ビットコインへの資金流入続く
CoinSharesのレポートによると、暗号資産ファンドは7月8日までの1週間、1500万ドルの資金流入となった。
半分以上の約760万ドルはイーサリアムファンドが占め、3週連続の資金流入となった。「11週連続の流出に耐えてきたセンチメントの緩やかな好転を示している」とレポートは記し、センチメント改善の一因は、PoS移行が近づいていることだろうと述べた。
ショート・ビットコインファンド(ビットコインの下落に投資するファンド)も630万ドルの資金流入となったが、先週の5100万ドルの流入からは大きく減少した。一方、通常のビットコインファンドは170万ドルの資金流出となった。
アルトコインファンドも停滞し、30万ドルの小幅な資金流出となった。
アルトコイン
●テラからポリゴンに移行:テラ(Terra)ブロックチェーンの崩壊から約2カ月、テラ上で稼働していた48以上のプロジェクトがポリゴン(Polygon)への移行を開始した。移行するプロジェクトを支援するために、ポリゴンは2000万ドル以上を準備していた。
●セルシウス、1億7200万ドルの担保回収:財務危機に瀕している暗号資産レンディングのセルシウス(Celsius)は、DeFi(分散型金融)プラットフォームのアーベ)(Aave)とコンパウンド(Compound)に対する9500万ドルの債務を返済し、1億7200万ドルの担保を回収した。先週には、メーカー(Maker)に4100万ドルの債務を返済し、4億4000万ドルの担保を回収している。
●サウジアラビアをテーマにしたNFTコレクションが人気に:「The Saudis」と名付けられたコレクションは、5555のNFT画像からなり、発売開始となった週末に770万ドル(約10億5000万円)を売り上げ、取引高のトップを占めた。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinShares
|原文:Market Wrap: Bitcoin Retraces Gains as Investors Await Inflation Announcement