野村、オンライン決済のOmiseに出資。ブロックチェーン領域の投資を加速

野村ホールディングス(HD)は、ブロックチェーンを基盤とするオンライン決済システムを開発するOmiseホールディングス(Omise Holdings)に出資した。暗号資産とブロックチェーン領域での取り組みを進める中、野村は同領域での投資を拡大する。

野村HD・広報担当は、出資額は非開示としながら、「ブロックチェーン領域における取り組みの一環」とコメントし、今回の出資の経緯を説明した。Omiseホールディングスはタイ・バンコクに拠点を置き、決済サービスの「Omise」やイーサリアムを基盤にしたブロックチェーンの「OmiseGO」、法定通貨やデジタル資産の交換プラットフォーム「Go.exchange」を手がけている。

野村はここ数年で資産のデジタル化に対応する動きを強めている。2018年5月、同社は仮想通貨ハードウォレットの分野を牽引する仏レジャー(Ledger)と、英グローバル・アドバイザーズ(Global Advisors Holdings Ltd)と組み、デジタル資産の管理(カストディ)サービスの研究開発に着手。

今年6月には、野村は野村総合研究所と共同でブロックチェーンを活用した有価証券などの権利を交換する基盤の開発・提供を行う合弁会社を設立すると発表している。

Omiseホールディングスは2013年の設立以来、ICO(新規コイン公開)を含めて総額5000万ドル(約54億円)以上の資金を調達してきた。これまで、ベンチャーキャピタルのグローバルブレインやEast Ventures、三井不動産などがOmiseの複数の調達ラウンドに参画してきた。

文:CoinDesk Japan
編集:佐藤茂
写真:多田圭佑