ビットコイン(BTC)は18日朝、2万2500ドル超えまで上昇し、1カ月以上ぶりの高値となった。当記事執筆時点には24時間で3.1%上昇し、2万1696ドルとなっている。
Oandaのシニアマーケットアナリスト、エドワード・モヤ(Edward Moya)氏は、世界経済が近い将来、堅調に推移するというサインと、FRB(米連邦準備理事会)が次のFOMC(米連邦公開市場委員会)で金利の引き上げ幅を1%ではなく、0.75%に留めるとのサインが見られるなか、センチメントは改善していると述べた。「ビットコインが今後2週間、この水準に留まり続ければ、暗号資産の冬は終わるかもしれない」。
英暗号資産取引サービスGlobalBlockのルーファス・ラウンド(Rufus Round)CEOは、暗号資産に対する投資家のコミットメントが大きくなっていると述べた。「GlobalBlockでは確かに、プロのバイヤーが現在の水準でビットコインとイーサリアムを買い込んでいる」。
主要なアルトコインのほとんどはビットコインを上回り、ポリゴン(MATIC)は24時間で18.4%上昇した。ポリゴンは、ディズニーの2022年アクセラレータープログラムに選出された後、1週間で66%以上上昇している。
イーサリアム(ETH)は9%上昇し、1469ドル。先週15日、イーサリアムは9番目の「シャドーフォーク」が稼働し、プルーフ・オブ・ワーク(PoW)からプルーフ・オブ・ステーク(PoS)への移行が迫っている。
最新価格
●ビットコイン:21,513ドル、+1.8%
●イーサリアム:1,459ドル、+7.6%
●S&P500:3,825.30、-1.0%
●ゴールド:1,706ドル、+0.2%
●米国10年債利回り:2.96%、+0.03%
ショート・ビットコインファンドに資金流入
暗号資産ファンドは7月15日までの一週間、1200万ドルの純流入となり、3週間連続の資金流入となった。だがその多くは、ビットコインの下落に賭ける投資家からの投資だった。
CoinSharesのレポートによると、ビットコインの下落に投資するショート・ビットコインファンドは1500万ドルの純流入。流入額は4週間で過去最高の8800万ドルとなった。
一方、ロングファンドは260万ドルの純流出となった。一般的なビットコインファンドも260万ドルの純流出、イーサリアムファンドは250万ドルの純流出となった。
「新規投資家がさらなる価格下落を期待していることが浮き彫りになったと考えている。一方で既存投資家はポジションを売却しておらず、暗号資産価格は底に近いと考えている」(CoinShares)
アルトコインファンドは、いずれもわずかな純流入となった。ソラナ(SOL)ファンドは50万ドル、エックスアールピー(XRP)ファンドは30万ドル、トロン(TRX)ファンドは10万ドルの純流入。
地域別では、アメリカのファンドは2100万ドルの純流入となり、他の地域を上回った。カナダのファンドは1300万ドルの純流出となり、年初からの流出額は3億8800万ドルに膨らんだ。
アルトコイン
●ポリゴン、ApeCoinが大幅上昇:ポリゴン(MATIC)とApeCoin(APE)は、暗号資産の時価総額が18日朝、1兆ドルを回復したなかで大幅に上昇した。6月、時価総額は約8000億ドルまで下落していた。
●「マージ・トレード」の動き:イーサリアムのPoS移行のスケジュールが新たに明らかになったことで、イーサリアムとステークドイーサ(stETH)に対する投資家の関心が高まった。「イーサリアムについての論調は、この1週間で急速に変化し、投機家は価格上昇のきっかけとして、迫る「マージ」に完全に焦点を当てている」とある市場関係者は述べた。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Market Wrap: Bitcoin Sees Best Day in Over a Month