「実現損失」は市場の底を示しているか:Glassnode

売り手が疲弊している兆候は、ビットコイン(BTC)にマーケットのボトム(底)に似た状況を生み出していると、ブロックチェーン分析企業グラスノード(Glassnode)はレポートで述べた。

実現損失、つまり資産を売却して発生した損失は投資家のキャピチュレーション(投げ売り)の程度を示しており、ブロックチェーンデータを使って測定できる。

ステーブルコインのテラUSD(UST)と暗号資産テラ(LUNA)が5月に崩壊したことが、30日間で280億ドル(約3兆8700億円)の投げ売りを引き起こした。6月18日、ビットコイン価格が2017年の史上最高値を下回ると、実現損失は30日間で360億ドルという記録的な水準となった。

出典:Glassnode

こうした大幅な価格下落で個人投資家や短期投資家がマーケットから一掃されると「ホドラー(HODLer)」、いわゆる価格に左右されない長期投資家が多くを占めるようになる。ホドラーが増えると価格は安定し、マーケットが底を打った可能性は高くなる。

現在、80%以上のビットコインは保有期間が3カ月以上であり、5月と6月の下落の動きが、ほぼすべての短期投資家を疲弊させたことを示している。

この数字は、2012年、2015年、そして2018年の弱気相場の終わりのときの数字と一致している。

出典:Glassnode

「きわめて困難なマクロ経済的・地政学的混乱が背景にあるが、ビットコインは、高い信念を持ったホドラーが多くを占める状態がピークに近づいており、真のボトム形成が進行している可能性がきわめて高くなりつつある」とグラスノードは書いている。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Glassnode
|原文:‘Realized Losses’ Might Prove Bitcoin’s Gain if Signaling a Market Bottom, Glassnode Says