仏銀大手BNPパリバがスイスの暗号資産(仮想通貨)カストディ企業のメタコ(Metaco)と提携し、カストディ事業に参入する。この件に詳しい3人の関係者が語った。
多くの大手銀行が暗号資産カストディへの参入を目指しているが、今回の件が特に大きなインパクトを持つのは、傘下のBNP Paribas Securities Servicesがすでに大手グローバル・カストディ企業として約13兆ドル(約1800兆円)の資産をカストディ(保管・管理)していることだ。
BNPパリバにコメントを求めているが、当記事執筆時点までに回答はなかった。メタコはコメントを控えた。
メタコは最近、同じく仏銀大手ソシエテ・ジェネラルとカストディに関する技術提携を結んだ。カストディ参入を考える銀行や金融機関にとって、メタコは提携の最有力候補となっている。
またメタコは最近、米銀大手シティグループとの提携を発表。その以前にもスペイン大手銀行BBCA、シンガポール大手銀行DBS、フィリピン大手銀行ユニオンバンク・オブ・フィリピンとの提携を発表している。
メタコがソシエテ・ジェネラルやシティグループに提供予定のサービスはセキュリティトークンに注力しており、純粋な暗号資産には重点を置いていない。セキュリティトークンは株式や金融商品をトークン化したもので、「デジタル証券」とも呼ばれる。
こうした傾向は、フランスの銀行がデジタル資産分野への参入を目指す際によく見られると、メタコのエイドリアン・トレッカニ(Adrien Treccani)CEOは以前、CoinDeskのインタビューで語っている。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
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|原文:French Banking Giant BNP Paribas Enters Crypto Custody Space: Sources