EV大手のテスラは2022年第2四半期(4−6月期)、9億3600万ドル(約1295億円)相当のビットコイン(BTC)を売却したことが20日、同社が発表した四半期決算報告で明らかになった。
イーロン・マスクCEOは、同社は「中国における新型コロナウイルスによるロックダウンの不確実性を考慮」し、保有するビットコインの大半を売却してキャッシュポジションを最大化したと述べた。
しかし、将来の積極的なビットコイン投資を妨げるものはなにもなく、「今回のことは、ビットコインに対する何らかの決定と取られるべきではない」と付け加えた。またテスラはドージコイン(DOGE)を売却していないと述べた。
四半期決算が発表された直後、ビットコインは約1.7%下落して2万2300ドルとなったが、マスク氏のコメントが伝えられるとすぐに回復した。
テスラの第2四半期末のビットコイン保有高は2億1800万ドル(約302億円)、過去3四半期は12億6000万ドル(約1744億円)だった。
同社は第2四半期はじめには4万2000ビットコインを保有していた。仮にその75%を9億3600万ドルで売却したとなると、平均売却価格は2万9000ドルとなる。第2四半期末(6月末)時点のビットコイン価格は約1万8700ドルだったので、テスラは第2四半期前半に売却することで保有資産の大幅な減損を回避したことになる。
テスラは2021年2月、15億ドル相当のビットコイン購入を発表し、価格上昇を招いた。その四半期末に同社は保有高の10%を売却、四半期収益を2億7200万ドルまで押し上げた。今回の発表まで同社はビットコインの売買を行っていなかった。
第2四半期、テスラの1株あたり利益は2.27ドル、売上高は169億ドル。いずれも事前予想の1.81ドル、165億ドルを上回った。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:テスラ モデルS(Shutterstock)
|原文:Tesla Sold $936M Worth of Bitcoin in Second Quarter