【US市場】ビットコイン、2万3000ドル付近に下落

ビットコイン(BTC)は21日、2.9%下落の2万2850ドル付近となった。50日指数平滑移動平均線(EMA)に接近しているが、まだ上回ってはいない。対照的にイーサリアム(ETH)は50日EMAを上回っている。だが、平均購入価格を下回る状態が続いている。

株式市場では、S&P500は0.4%、ナスダックは0.8%の上昇となった。エネルギー市場の指標となるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエイト)は3%下落し、ゴールドは1.1%上昇した。

アルトコインはまちまちで、アバランチ(AVAX)は1.5%上昇したが、ポルカドット(DOT)は3.7%下落した。

最新価格

●ビットコイン:23,087ドル、-2.5%
●イーサリアム:1,564ドル、+0.4%

●S&P500:3,988.68、+0.7%
●ゴールド:1,715ドル、+0.9%
●米国10年債利回り:2.91%

購入コストを上回るビットコイン、下回るイーサリアム

21日は雇用統計に注目が集まった。週間の新規失業保険申請件数は25万1000件に達し、予想の24万件を4.5%上回った。継続受給件数は138万件(予想134万件)。

出典:U.S. Employment and Training Administration)

FRB(米連邦準備理事会)が経済成長を深刻に停滞させることなく、インフレを抑制しようとするなか、ビットコイン投資家はこのデータをポジティブに受け取ったようだ。シカゴマーカンタイル取引所(CME)のFedWatchによると、0.75%以上の利上げの確率は27.3%に低下した。

ビットコインは21日、取引高が平均よる少なかったが下落した。注目すべきは、7月19日にRSI(相対力指標)が買われすぎレベルを突破したことだ。

またビットコインのATR(Average True Range)は6月中旬から低下しており、取引レンジが狭くなっていることを示している。10日移動平均線が20日移動平均線を上回り、価格が一時的に50日移動平均線に触れたことも注目される。ただし取引高の減少は不確実性を示しており、投資家は2万3000ドル台を潜在的なレジスタンスとして見ているようだ。

出典:TradingView

イーサリアムの値動きにも同様の動きが見られるが、イーサリアムが50日EMAを上回り、10日EMAも50日EMAを上回りそうなことがビットコインとは異なっている。明らかに強気サインといえるが、取引高が少ないなかでの上昇は投資家の自信の低下を示している。

出典:TradingView

オンチェーンデータは、ビットコイン価格とイーサリアム価格の違い、特に実現価格に関連する違いを明らかにしている。実現価格はデジタル資産の購入コストと見なすことができる。実現価格を現在価格と比較することで、平均的な投資家が利益を得ているのか、損失を出しているのかがわかる。現状では、ビットコインは実現価格2万1947ドルを上回っている。

出典:Glassnode

一方、イーサリアムは実現価格1644ドルを下回ってままで、平均的なイーサリアム投資家は損失を出していることになる。

出典:Glassnode

アルトコイン

●ドージコイン、アップデート後に下落:ドージコイン(DOGE)はアジア時間21日早く、アップデートを実行した後、前日の上昇から一転、下落した。アップデートは、セキュリティとネットワーク効率の向上が目的。

ブテリン氏、今後の「Merge」と「Surge」に言及:イーサリアムの共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏は、パリで開催されたEthereum Community Conference(EthCC)で、将来のロードマップについて語った。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Market Wrap: Bitcoin Stalls at $23K but Sits Above Cost for Average Investor’s Purchase Price