ガートナーが今年2月にまとめたレポートによると、2026年までに世界の4人に一人が、毎日少なくとも1時間はメタバースで過ごすことになるという──今週のトップニュースをダイジェストで振り返ります。
大幅下落の米コインベース株、機関投資家が購入
ファンドの新規投資に関する情報を追っているWhale Wisdomによると、キャシー・ウッド氏率いる米アーク・インベストメント・マネジメントをはじめとする複数の機関投資家は6月30日付けの開示書類では、コインベース株を大量に買い増している。
ウッド氏は長年、コインベースに積極的に投資しており、5月にはコインベースはステーブルコイン「テラUSD(UST)」やその関連暗号資産テラ(LUNA)には投資していないと述べていた。
分散型音楽ストリーミング「Audius」は業界のパワーバランスを変える:バンカメ
分散型音楽ストリーミングプラットフォーム「Audius」はアーティストに大きな利益とパワーをもたらすと、バンク・オブ・アメリカは7月21日に発表したレポートで述べた。
Audiusは2020年10月にメインネットがスタート、その目的は「パワーと利益のバランスを、レコード会社、中央集権型デジタルサービスプロバイダー(DSP)のような中間業者から、アーティストとユーザーにシフトさせること」とレポートは記している。
英銀大手バークレイズ、暗号資産カストディ企業に出資:報道
英銀大手バークレイズ(Barclays)が、暗号資産(仮想通貨)カストディを手がけるコッパー(Copper)に出資すると英スカイ・ニューズ(Sky News)が7月24日、関係者の話をもとに伝えた。「数百万ドル」規模の出資を行うという。
米コインベースとロビンフッドの株主、従業員報酬制度による希薄化リスクに直面:JPモルガン
米暗号資産取引サービス大手コインベース(Coinbase)と投資アプリを手がけるロビンフッド・マーケッツ(Robinhood Markets)の株主は、従業員の報酬制度に含まれる「制限付き株式付与」(RSU)が要因となる株式の大幅な希薄化リスクに直面していると、JPモルガン・チェーンが7月25日、顧客向け文書で述べた。
両社の株価が、暗号資産と株式市場の下落から大きな打撃を受けていることを考えると、株主にとって希薄化はタイミングが悪いだろう。年初からコインベースの株価は73%、ロビンフッドの株価は51%下落している。
金融業界での「クリプトジャッキング」269%増
金融分野における「クリプトジャッキング」(不正マイニング)は、サーバーセキュリティ企業SonicWallのレポートによると、2022年上半期に269%増となった。
クリプトジャッキングはサイバー攻撃の一種で、ハッカーが暗号資産マイニング用のソフトウェアを被害者のコンピューターに不正にインストールする。被害者が自分のコンピューターを悪用されていることに気づかないことが多く、それがクリプトジャッキングの増加につながっているという。
1カ月で100万人、ブラジル「Nubank」の暗号資産サービスユーザー
世界最大のデジタル銀行といわれるブラジルの「Nubank」は、暗号資産(仮想通貨)取引サービスのユーザーが100万人に達したと7月26日に発表した。6月にサービスをスタートさせてから、まだ1カ月しか経っていない。
同行は2021年5月に「Nucripto」を立ち上げ、6月に同行ユーザー4650万人に対して提供を開始、1年以内での100万人達成を目指していた。
米アーク、140万株以上の米コインベース株を売却
キャシー・ウッド氏率いるアーク・イベストメント・マネジメント(Ark Investment Management)の3つのファンドが、7月26日に米コインベース(Coinbase)株を合計140万株以上売却した。同社が7月27日、メールで発表した。
アークは5月に50万株を超えるコインベース株を購入していた。
DeFi、暗号資産犯罪のメインターゲットに──取引所からシフト:調査会社
145億ドル(1兆9800億円)以上の暗号資産(仮想通貨)が2011年以降、ハッキングと詐欺で失われており、DeFi(分散型金融)はハッカーなどの攻撃者が好んで狙う新しいターゲットになったと分析企業Crystal Blockchainは述べた。
同社の最新レポートによると、過去11年、DeFiのハッキングは167件、中央集権型取引所のハッキングは123件にのぼる。そして中央集権型取引所からは32億ドル超が流出したが、DeFiからは40億ドル以上が流出した。残りの被害は詐欺によるものだ。
メタバース部門、28億ドルの損失:米メタの第2四半期決算
メタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)でAR/VR技術を担い、いわゆるメタバースを推進するFRL(Facebook Reality Labs)部門は第2四半期、28億1000万ドル(約3830億円)の損失となった。同社が7月27日に発表した四半期決算で明らかになった。
FactSetによると、第1四半期の損失29億6000万ドルからは減少し、アナリスト予想の36億7000万ドルの損失よりも良い結果となった。
FTX.US、株式取引を提供
FTX.USはアメリカ全50州で株式取引の提供を開始したと、同社バレット・ハリソン(Brett Harrisonn)社長が7月27日にツイートした。
今後、ユーザーは数百の株式とETF(上場投資信託)をオンラインもしくはFTX.US Proのモバイルアプリを通して取引できるようになると同氏は付け加えた。
コインチェック、メタバースのOthersideに都市「Oasis MARS」を制作
暗号資産(仮想通貨)とNFT(非代替性トークン)の取引サービスを運営するコインチェックが、メタバース(仮想空間)のOthersideに「Oasis MARS」と名づけた都市を制作する。世界的に注目を集めているメタバースに関連する事業開発を加速させる。
Othersideは、NFTコレクションの「Bored Ape Yacht Club(BAYC)」を手がけるYuga Labsと、NFTなどのデジタル資産領域で投資を行うアニモカブランズ(Animoca Brands)がプロデュースするメタバース。
日本企業がメタバースに熱視線──ドコモ、サイバーA、凸版、パーソル、コインチェック…
Meta社(旧Facebook)を中心に組織化したメタバースエキスポジャパンは7月27日、東京・六本木のホテルで「METAVERSE EXPO JAPAN 2022」を開催し、ソフトバンク、NTTドコモ、サイバーエージェント、凸版印刷、コインチェックなどの日本企業が参加した。
2日間にわたって行われるMETAVERSE EXPOは、登壇者がメタバース(仮想空間)のユースケースや可能性などを議論するカンファレンスと、参加企業がブースを構えてそれぞれが開発するプロジェクトなどを展示するエキシビジョンの2つで構成される。
人気NFT「Bored Ape Yacht Club」関連のニュースサイト開設
人気NFTコレクション「Bored Ape Yacht Club(BAYC)」を手がけるYuga Labsと、APE DAOを対象にしたニュースサイト「Bored Ape Gazette」が誕生するようだ。
BACYエコシステムの資金の一部、具体的にはネイティブ暗号資産ApeCoin(APE)をニュースサイト開設資金として使用する提案が7月28日、コミュニティによって承認された。Bored Ape Gazetteの更新と運用にかかる費用は、初年度は15万ドル(約2050万円)と見込まれている。
米アップル、Web3に詳しいコンテンツ・ディレクターを募集
米アップルは同社の採用サイトによると、Web3に精通したコンテンツ・ディレクターとアート・ディレクターを募集している。
アソシエイト・クリエイティブ・コンテンツ・リードの応募要項には「インタラクティブ・プラットフォームとWeb3.0に興味を持っていること」とある。
東京ドーム、ホテルとスパの利用券をNFTで発行──三菱UFJの技術を採用
東京ドームは7月29日、三菱UFJ信託のプラットフォーム「Progmat UT」を活用して、「東京ドームホテル」と「東京ドーム天然温泉スパ ラクーア」で利用できるNFTの発行を開始した。2社が同日、共同文書で発表した。
Progmat UTで発行できるNFTは、機能型NFTやユーティリティトークン(UT)と呼ばれ、暗号資産(仮想通貨)やセキュリティトークンとは異なる。不動産や社債、企業などが保有する動産などを裏付けるセキュリティトークン(ST=デジタル証券)に対して、UTは優待券や会員権、イベントなどへの参加チケットなどをトークン化したもの。
デジタル不動産NFTの「ANGO」が年内スタート:リアル物件は民泊活用も
レシカは7月29日、デジタル不動産NFTの「ANGO NFT」を年内に販売すると発表。同社は、東海東京インベストメントとエンジェルトーチ、伊藤穣一氏から出資を受け、デジタル上で不動産NFTをスマートフォンで売買・保有できるサービス「ANGO」を今秋に始める。
ユーザーは、「ANGO」のデジタル物件をメタバース(仮想空間)上の家として保有できる。デジタル物件は実在するリアルの物件と連動し、デジタル不動産NFTを所有すれば、リアル物件への宿泊権利を取得することが可能だ。
|文・編集:coindesk JAPAN編集部
|画像:METAVERSE EXPOでJAXAが開いた展示ブース