ビットコイン(BTC)は米東部時間2日、ほぼ終日下落しており、このまま2日を終えれば5日連続の下落となる。取引高も平均(20日移動平均を基準)を下回っている。値動きの幅を示すATR(average true range)も低下しており、この間、かなりタイトな値動きになっている。
低い取引高と狭い取引レンジは、強気、弱気にかかわらず確信の欠如を示すと考えられる。少なくとも投資家は様子見となっているようだ。
株式市場も下落し、ダウ平均は0.9%、ナスダックは0.5%、S&P500は0.7%下落した。
アルトコインでは、イーサリアム(ETH)は1.4%上昇し、4日連続の下落に終止符を打った。ポルカドット(DOT)は3%下落、ポリゴン(MATIC)も1.6%、チェーンリンク(LINK)も3.3%下落した。
最新価格
●ビットコイン:22,924ドル、+0.1%
●イーサリアム:1,635ドル、+1.0%
●S&P500:4,091.32、-0.7%
●ゴールド:1,779ドル、+0.6%
●米国10年債利回り:2.74%、+0.1
テクニカル分析
ビットコインは2日、再び下落し、市場は前週の上昇の後に一息ついているようだ。
テクニカル分析では、ビットコインは10日指数平滑移動平均線(EMA)を割って短期的な弱さを示している。価格がEMAを下回る動きは弱気シグナルと解釈できる。そして注目すべきは、取引高が平均を下回っていることだ。少ない取引高は、どちらの方向に動くにせよ、確信が持てないことを示している。
現在、価格は10日EMAと20日EMAの間にあり、強気トレーダーにとっては、買い時といえる。
相対力指標(RSI)は、7月19日の69から低下して、56.22となっている。50に近い水準(現在の状況)は「中立」と解釈できる。
債券市場「逆イールド」の意味
米国債券市場では、20年以上ぶりに10年債の利回りが2年債の利回りを下回る「逆イールド」が起きている。逆イールドは、アメリカでは歴史的にリセッション(景気後退)の12〜18カ月前に起こることが多い。
逆に言えば、逆イールドはFRB(米連邦準備理事会)が現在の金融引き締め政策から脱却し、より緩和的な取り組み、つまり金利の引き下げにシフトする可能性があると見ることができる。
もう1つの注目は、10年債と3カ月債の逆イールドの可能性だ。下図のように、10年債と3カ月債の利回りのスプレッド(差)は5月以降、急低下している。現在は逆転はしていないものの、0.04%という現在のスプレッドも20年ぶりの低水準となっている。市場は、10年間の資本貸し出しのリスクよりも、3カ月の資本貸し出しのリスクを高く捉えていることを意味する。
含み益のビットコイン、増加
最近の上昇を考えると、ビットコインのPercent Supply in Profit(含み益にあるビットコインの割合)も上昇に転じたことは驚くことではない。
この指数は歴史的に、95%を超えるときは市場のピークを、50%を下回るときはボトム(底)を示してきた。現状は61%で、7月18日の50.3%から上昇している。ビットコインは同期間に22%上昇している。
アルトコイン
●取引所Zipmex、複数のアルトコインの引き出し再開へ:Zipmexは先月、顧客による暗号資産の引き出しを停止したが、今後数日のうちに、ソラナ(SOL)、カルダノ(ADA)、エックスアールピー(XRP)の引き出しを再開する予定だ。
●ソラナのNFTプラットフォーム「Magic Eden」、イーサリアム対応を発表:ソラナブロックチェーンを基盤とするNFTプラットフォーム「Magic Eden(マジックエデン)は8月2日、イーサリアムベースのNFTにも対応できる「マルチチェーン化」を進めると発表した。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:
|原文:Market Wrap: Bitcoin Wavers in Narrow Range as Cryptos Trade Weaker