ソラナのウォレットで数百万ドル規模のハッキングが発生。投資家が不満を爆発させているにもかかわらず、暗号資産ソラナ(SOL)は8月3日朝、重要なサポートを維持した。
ハッキングによって、デジタルウォレットのPhantom「ファントム)、Slope(スロープ)から少なくとも500万ドル(約6億6000万円)相当のソラナなどが流出。ハッキングは投資家の怒りを呼び、ツイッターではソラナのショートが呼びかけられた。
ソラナの価格はハッキングが伝えられたことで下落しているが、今のところ、37.50ドルの50日単純移動平均(SMA)のサポートを割っていない。当記事執筆時点では38.50ドル付近、24時間で4%下落している。
過去、ハッキングが2桁の価格下落につながったケースがあることを考えると、ソラナの下落は穏やかに思える。とはいえ、第5位のスマートコントラクトブロックチェーンで、イーサリアムよりも高速、安価な取引をアピールするソラナにとって今回のハッキングは最悪の事態といえる。ソラナは過去12カ月で数回のネットワーク停止を経験しており、イーサリアムキラーとしての魅力はすでに損なわれている。
何がソラナを支えているのか?
だが、何がソラナのレジリエンス(回復力)を支えているのだろう? 市場関係者によると、ソラナが売られすぎ状態だったこと、クジラ(大口保有者)が保有を続けていることがソラナを下支えしているという。
インド・ムンバイに拠点を置く暗号資産運用会社MintingMは「ソラナの供給量はクジラによってコントロールされている」と述べた。
今日の比較的穏やかな反応は、6月に起きたソラナ基盤のレンディングプロトコル、Solendの混乱を繰り返しているようだ。
6月19日、同プロトコル最大のアカウントが壊滅的な清算の危機に追い込まれているとして、Solendのユーザーはアカウントの強制管理を求める投票を行った。だが、清算リスクの軽減を意図したこの動きは、分散型金融(DeFi)や金融の民主化というコンセプトに反しているとしてソーシャルメディア上で激しく批判された。
しかし、ソラナは同日6%以上上昇し、その後の6日間でさらに20%上昇した。
ソラナがSolendの問題を乗り越えたように、今回のハッキングも乗り越えられるだろうとMintingMは述べた。
Stack Fundsの共同創業者兼COOのマシュー・ディブ(Matthew Dibb)氏は「ソラナは最近、他のレイヤー1と比べると不調だった。しかし、今日のハッキングから比較的安定していることが証明された」と述べた。とはいえ、同氏はハッキングの詳細が明らかになるにつれ、短期的には売り圧力が続くと予想している。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:TradingView
|原文:SOL Token Holds Price Support After Million-Dollar Hack Brings Bad Optics for Solana