暗号資産の未来はセキュリテイにかかっている:ハードウェアウォレットのLedger

暗号資産(仮想通貨)取引所、あるいはクロスチェーン・ブリッジのような仲介サービスでは、ホットウォレットに対するハッキングが相次いでいる。暗号資産取引所はセキュリティ対策を一段と強化する必要があるとハードウェア・ウォレットメーカー、Ledger(レジャー)のグローバルヘッド、アレックス・ジンダー(Alex Zinder)氏はCoinDesk TVで語った。

暗号資産エコシステムの急成長がハッキングなどの脅威を高め、「管理が非常に困難な」安全性の問題を生み出しているという。

「我々は問題を末端(=ユーザー)でのセキュリティの問題と捉えている。問題は、多くの仲介者やさまざまなプレーヤーが存在することで、エコシステムが一層複雑になっていること」(ジンダー氏)

8月2日は8000以上のソラナエコシステムののホットウォレットがハッキングされ、セキュリティの不十分なウォレットから少なくとも500万ドル相当のソラナ(SOL)などが流出した。

このハッキングは「セキュリティへの関心を新たに」するもので、「暗号資産の成功の徴候」かもしれないと同氏はコメント。さらにジンダー氏は、問題はソラナブロックチェーンではないと述べた。

「問題は仲介者、ウォレットプロバイダーだ」

常時インターネットに接続されているホットウォレットではなく、レジャーは、USBに似た外部デバイスのようなハードウェアに秘密鍵情報を保存する「コールドウォレット」、すなわち外付けウォレットを提供している。

暗号資産業界の成長は、取引所とハードウェアウォレットプロバイダーのパートナーシップがベースになるかもしれないと同氏は語った。

「セキュリティは、大規模な普及とスケーラビリティの先駆けとなる」

フランスに拠点を置くレジャーの評価額は現在15億ドル、2021年6月にはシリーズCの資金調達ラウンドで3億8000万ドルを調達した。同社はこれまでに500万台以上のハードウェアウォレット、すなわち世界シェアの約15%を販売しているという。

さらに、ジンダー氏はNFTについても強気だ。特に大手企業が自社ブランドをアピールするためにNFTを利用する場合には、セキュリティが不可欠と考えている。

「万一、セキュリティやガバナンスに関して妥協した場合、ユーザーやコミュニティ、ブランドを根本的にリスクにさらすことになる」と同氏は述べた。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Crypto’s Future Depends on Security, Ledger Exec Says