Mergeでイーサリアムはフォークするのか、米消費者は来年のインフレ率低下を予想【8/6~8/12のトップニュース】

イーサリアムブロックチェーンはフォーク、つまり2つに分裂し、新しいPoSチェーンはイーサリアムをそのままネイティブトークンとし、これまでのPoWチェーンは独自のETH PoWトークンを立ち上げる可能性がある──今週のトップニュースをダイジェストで振り返ります。

NFTはコミュニティのパスポート──人気占星術師のスーザン・ミラー氏、NFTコレクションを発表

日本でも人気の西洋占星術師、スーザン・ミラー氏が星座をテーマにしたNFTコレクションを発表した。

1万2000点のPFP(プロフィールピクチャー)コレクションは、ミラー氏のチームが取引コストの低さから選んだポリゴン(Polygon)ブロックチェーンを基盤としている。

「Merge」は複数の成果をもたらす──取引速度10%向上:米銀シティ

イーサリアムブロックチェーンのPoS(プルーフ・オブ・ステーク)移行「Merge(マージ)」は、複数の成果をもたらすと米銀大手シティグループが8月4日発表したレポートで述べた。

マージは、予定されている5つのアップグレードのうちの最初の1つであり、ブロック生成時間を短縮することでトランザクション速度を10%向上させる可能性があるという。

暗号資産の未来はセキュリテイにかかっている:ハードウェアウォレットのLedger

暗号資産取引所はセキュリティ対策を一段と強化する必要があるとハードウェア・ウォレットメーカー、Ledger(レジャー)のグローバルヘッド、アレックス・ジンダー(Alex Zinder)氏はCoinDesk TVで語った。

暗号資産エコシステムの急成長がハッキングなどの脅威を高め、「管理が非常に困難な」安全性の問題を生み出しているという。

「Merge」後のハードフォーク、影響は小さい:ブテリン氏

イーサリアムの共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏は、9月に予定されているPoS移行「Merge(マージ)」に伴うハードフォークの影響は小さいと考えている。

週末に開催された開発者向けイベント「ETHSeoul」で、ブテリン氏は「新たなフォークで、大きな損害を受けるとは思わない」と述べた。

7月の価格上昇は「Merge」期待が要因:JPモルガン

イーサリアムブロックチェーンの「Merge(マージ)」への期待が、7月の暗号資産(仮想通貨)全般、特にイーサリアム(ETH)上昇の大きな要因となったと、JPモルガン・チェースのアナリスト、ケネス・ワージントン(Kenneth Worthington)氏は述べた。

Mergeでイーサリアムはフォークするのか──リスクフリーでETH PoW獲得を狙うトレーダーの動き

イーサリアム先物市場は8月8日に「バックワーデーション(逆ザヤ)」となり、3カ月先物は2020年3月の新型コロナウイルス感染拡大による暴落以来、スポット(現物)価格に対して最も大きなディスカウント(割引率)となった。

バックワーデ ーションは、トレーダーが「Merge」による価格の乱高下から強気のスポット市場の投資を保護し、ハードフォークの可能性から安全にフリーマネーを得るためにショートポジションを取ったことが原因のようだ。

米消費者、2023年のインフレ率低下を予想:NY連銀調査

8月8日に発表された7月の月次調査によると、2023年のインフレ率は6.2%と予想され、6月の6.8%から低下している。ニューヨーク連銀が2013年に調査を開始して以来、1カ月間で最大の下落幅となり、インフレ抑制に対する期待が高まっているようだ。

レイヤー2、イーサリアムから収益を奪う可能性──補完的ではなく競争的に:米コインベース

イーサリアムのブロックチェーンは「コストとスループットの欠点」に対処するためにレイヤー2システムを必要としている。だが、そうしたレイヤー2システムは「補完的ではなく、競争的」になり、イーサリアムから収益を奪う可能性があると米暗号資産取引大手Coinbase(コインベース)は8月8日、レポートで述べた。

米コインベース、第2四半期の取引高は大幅減少

米暗号資産(仮想通貨)取引大手のCoinbase Global(コインベース・グローバル)は第2四半期(4−6月期)の取引高が大幅に減少したと発表、株価は約5%下落した。

同社が8月9日に発表した株主レターによると、第2四半期の取引高は2170億ドル、第1四半期の3090億ドルから減少した。金融情報のFactSetによると、コインベースの第2四半期売上高は8億300万ドル、アナリスト予想の8億7380万ドルを下回った。

イーサリアムユーザーを「信奉者」と「投機家」に分類──モルガン・スタンレーの新指標

米投資銀行のモルガン・スタンレーは、トレーダーの動きからイーサリアムの値動きを予測する新しい指標「PAVA(Price-Adjusted Volume per Address)」を発表した。

PAVAは、米ドル建てのイーサリアム価格をアクティブウォレットに対するブロックチェーンのトランザクション量(90日平均)で割って算出し、イーサリアムの価格動向を推定する。特に極端な安値状況で有効だという。

制裁対象のトルネード・キャッシュから匿名ユーザーが著名人にイーサリアムを送信──規制の混乱が目的か

8月9日、匿名ユーザーが著名人のイーサリアムアドレスに、マネーロンダリングに使われているとされる「Tornado Cash(トルネード・キャッシュ)」から少額のイーサリアムを送り、これから起こるであろう規制の混乱に巻き込もうとしたようだ。

Etherscanによると影響を受けたのは、コインベースのブライアン・アームストロングCEO、TV司会者のジミー・ファロン(Jimmy Fallon)氏、スポーツブランドのPUMA、ウクライナへの寄付のために作られたウォレットなど。作品のNFTが高額取引されたことで知られるアーティストのBeeple氏、人気コメディアンのデイヴ・シャペル(Dave Chappelle)にもイーサリアムが送られた。

イーサリアム、Merge前の最後のテストも無事完了

イーサリアムブロックチェーンがプルーフ・オブ・ワーク(PoW)からプルーフ・オブ・ステーク(PoS)に移行する前の、3回目にして最後の最終リハーサルが8月11日未明、無事完了した。

Goerli(ゴレリ)は、PoS移行「Merge」の最終リハーサルを行う3つのテストネットのうち、最後のものだった。この後、メインネットのMergeは9月下旬のいずれかに行われると予想されている。

ビットコイン、次の展開は?──米CPI発表後に2カ月ぶりの高値

ビットコインは米CPI(消費者物価指数)発表後に上昇し、11日早くに6月13日以来の高値となる2万4744ドルとなった。CPIが予想を下回ったことで、激しいインフレはピークを過ぎ、米FRB(連邦準備理事会)は今後数カ月で金融引き締めを減速させるだろうとの希望的観測が広がった。

だが一部のアナリストによると、こうした希望的観測は見当違いであり、強気相場が続くと考えていた人は失望するかもしれないという。

|文・編集:coindesk JAPAN編集部
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