ビットコイン(BTC)をはじめとする暗号資産(仮想通貨)は24日、投資家のリスク意欲が戻るなか、株式市場とともに上昇した。
「ビットコインは、ウォール街のわずかなリスクオン・セッションから恩恵を受けている。株価は3日連続の下落から抜け出そうとしている」とオアンダ(Oanda)のシニア・マーケットアナリスト、エドワード・モヤ(Edward Moya)氏は語った。
ビットコインは1%、イーサリアム(ETH)は2%上昇、ソラナ(SOL)、カルダノ(ADA)も概ね1%上昇した。
株式市場では、S&P500が0.22%上昇、ナスダックが0.52%上昇となった。
ワイオミング州ジャクソンホールで開催されるFRB(米連邦準備理事会)の年次経済シンポジウムを前に、投資家はこの数日間、様子見となっている。パウエルFRB議長の26日の講演は、今後の金融政策についてのヒントとなるだろう。
「ジャクソンホールを前に横ばいモードから抜け出せず、ビットコインは2万ドル超で推移し続けるだろう。パウエル議長の26日の講演後も、リスク資産はレンジ相場となるだろう。インフレの軟化を示すデータが出るまで、FRBのタカ派スタンスを抑えることはできない」とモヤ氏はコメントした。
ニューヨーク連邦準備銀行が24日発表したレポートによると、新型コロナウイルス感染拡大が生み出した強い需要が7月の米インフレ率上昇の主な要因となった。サプライチェーンのボトルネックがなければ、2021年末のインフレ率は9%ではなく、6%で収まっただろうという。
「新たなエネルギーショックなどがなければ、供給ボトルネックの緩和が進むことで、短期的にインフレ率は大幅に低下する可能性がある」(レポート)
最新価格
●ビットコイン:21,705ドル、+0.8%
●イーサリアム:1,681ドル、+1.6%
●S&P500:4,140.77、+0.3%
●ゴールド:1,765ドル、+1.1%
●米国10年債利回り:3.11%、+0.05
回復局面での選択肢
ヨーロッパに拠点を置く暗号資産運用会社コインシェアーズ(CoinShares)は、市場の回復局面を狙う投資家のために金融サービス会社BTIGが選んだ投資手段の1つとアナリストのマーク・パルマー(Mark Palmer)は24日、クライアント向け文書に記した。
ヨーロッパ最大級の暗号資産運用会社であるコインシェアーズは、暗号資産に焦点をあてた金融商品を開発し、同社独自の技術基盤を考慮すると、同業他社に対する優位性を保っていると同氏は述べた。
コインシェアーズの運用資産残高は、第2四半期決算報告書によると、6月30日時点で約16億5000万ドル(約2260億円)にのぼる。
アルトコイン
●マージ、公式日程が明らかに:イーサリアムブロックチェーンのPoS移行「Merge(マージ)」の最後のカウントダウンを開始するアップグレード「Bellatrix」は、9月6日に実施される。マージ自体は9月10日〜20日のどこかの時点で完了する予定。
●テザー、Tornado Cashをブロックせず:ステーブルコインUSDTを発行するテザー社は、Tornado Cashのブロックは時期尚早と考えており、米当局からの明確な指示を待っている。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Market Wrap: Bitcoin Rises Slightly Along With Stocks