ミシカル・ゲームズ、イーサリアムと互換性のあるチェーンを開発:CEO

ブロックチェーンを活用した本格的なオンラインゲームを手がける米ミシカル・ゲームズ(Mythical Games)が、イーサリアムブロックチェーンと互換性を持つ独自チェーンの試験運用を進めている。同社CEO(最高経営責任者)のジョン・リンデン(John Linden)氏が明らかにした。

CoinDesk TVに出演したリンデン氏は8月31日、「現在、テストネットで完全にEVMと互換性のあるチェーンを開発している」と発言した。

EVMとは、イーサリアム仮想マシン(Ethereum Virtual Machine)の略で、コンピュータに命令を行うための翻訳機能のこと。イーサリアムではプログラム言語の「Solidity」が使われているが、この言語からコンピュータが理解できる言語のバイトコードに翻訳する機能がEVM。

イーサリアムは現在、ネットワークを維持し、取引を検証するモデルを「プルーフ・オブ・ワーク(POW)からプルーフ・オブ・ステーク(POS)に移行するプロジェクトを進めている。この移行は、取引時間や手数料の削減、セキュリティの向上を目的としている。

ミシカル・ゲームズはチェーンを構築してきたが、イーサリアムの「膨大なガス代」が大きな課題だったと、リンデン氏は話す。「10ドルのビデオゲームアイテムに対して、ユーザーが大きな外部手数料を負担することは考えられない」とコメント。

同社は現在、ブロックチェーンプラットフォームの「EOS.IO」を使用しているが、リンデン氏は、ミシカル・ゲームズが独自のフォークチェーンを作成することを可能にしたと述べている。

「我々は、その上に独自のレベルのEVM互換性を追加した。EVMがPOSに追いつくにつれて、その技術スタックに重きを置くようになった」とリンデン氏。

リンデン氏は、ミシカル・ゲームズがイーサリアムブロックチェーンに移行しているかどうかを明らかにしなかったが、「真の種類のEVMチェーンを持つことで、(いくつかの)効率性を見ている」と述べている。

|原文:Mythical Games Is Building an Ethereum-Compatible Chain
|編集:佐藤茂
|トップ画像:ジョン・リンデンCEO/coindesk JAPAN撮影