ビットコイン(BTC)の長期投資家は、マクロ経済の見通しが全般的に暗いにもかかわらず、価格が下落するなかで保有残高を増やしている。ビットコインは現在の2万ドル~2万1000ドルでは割安となっている可能性を示すモデルもある。
「ピュエル・マルチプル(Puell Multiple)」はビットコインマイナーの1年間の収益成長を測る指標で、現在、投資家に買い意欲があることを示している。0.5付近という数字はビットコインの長期投資家にとっては、いわゆる「グリーンゾーン」になるとCryptoQuantのアナリストは述べた。
指標は、前回の弱気相場の最後にグリーンゾーンに入り、その後、ビットコイン価格は数週間の横ばい局面を経て、上昇に向かった。
ビットコインの1日あたりの発行価値を365日の平均値で割って算出されるピュエル・マルチプルは現状、新たに発行されたビットコインが年間平均に対して割安であることを示している。これは、マイナーがビットコインを売却する際の収益性が相対的に低いことを示しており、価格の底を示す動きと見る人もいる。
しかし、CryptoQuantのアナリストは、価格の底は「まだ先」だろうと警告し、ファンダメンタルの懸念をあげた。
「アメリカの経済データは依然として予想より悪く、マクロ経済環境は、ビットコイン価格をサポートしていない。経済活動は予想よりも早く減速している」(CyptoQuant)
FRB(米連邦準備制度理事会)は、積極的な利上げを継続すると見られており、一部の関係者は「すぐの緩和を期待することは非現実的」と述べている。
一方、暗号資産取引所ビットフィネックス(Bitfinex)のアナリストは9月5日のレポートで、ビットコインとイーサリアムは、保有するアドレス数が増加していると記した。
特にビットコイン保有者の合計残高は、過去最高の1292万ビットコインに達し、60%以上は1年以上保有されている。また1~10ビットコインを保有するアドレス数は約75万で、増加傾向にあるという。
「こうした弱気相場の間の持続的な買い集めは、多くのビットコイン保有者の強いコミットメントと長期的な信念を示している」とビットフィネックスのアナリストは結論づけた。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CryptoQuant
|原文:Bitcoin in Accumulation Phase Despite Macro Headwinds, On-Chain Data Indicate