ソニーフィナンシャルのVC、フィンテックのBitwalaに出資──銀行と仮想通貨をつなぐドイツベンチャー

ビットコインなどの仮想通貨やブロックチェーン技術と、従来の金融サービスを融合させた新たな事業を開発するドイツのベンチャー企業Bitwalaが、ソニーフィナンシャルベンチャーズとグローバル・ブレイン、英投資会社のNKBグループなどから1300万ユーロ(約16億円)の資金を調達する。

ベルリンを拠点とするBitwalaは現在、40名を超える社員を有しているが、今回調達する資金(シリーズA)の一部を使って人員の拡大を進めていく。また、法人向けのビットコイン口座の開設を開始すると、7月31日付の発表文で明らかにした。

2015年の設立以来、Bitwalaは既存の金融機関(銀行)とブロックチェーン技術を基盤とする金融サービスの融合をミッションに据え事業開発を進めてきた。これまでに既存の銀行口座とビットコイン用ウォレットをつないだトレーディングプラットフォームを開発。2018年には「ブロックチェーン・バンキング」と名づけたサービスを開始し、ビットコインなどの仮想通貨による取引や決済サービスを可能にした。

また、欧州経済領域(EEA)の31カ国において、Bitwalaのユーザーはドイツの銀行預金保険が適用され、預金額は最大10万ユーロまで保障されると同社は説明している。口座を開設すると、無料でマスターカード・デビットカードを提供している。

現在、同社の顧客の約半数はドイツ居住者。他にはオーストリア、イギリス、スイス、イタリア、フランスなどのユーザーがBitwalaのサービスを利用しているという。

ソニーフィナンシャルベンチャーズは、ベンチャーキャピタルのグローバル・ブレインとの連携を深めている。2社は2018年に共同で50億円の投資ファンドを設立。フィンテック(Fintech)の分野に強みを持つベンチャー企業を対象に、今後10年にわたり投資を進めていくとしている。

Bitwalaの株主にはグローバル・ブレインの他に、米VCで暗号資産領域にフォーカスするデジタルカレンシーグループ(Digital Currency Group)や、アーリーバード・ベンチャーキャピタル(Earlybird Venture Capital)などが名を連ねている。

編集:佐藤茂
写真:Shutterstock