投資大手のKKR、ファンド運用にトークン活用──チェーンはアバランチ、個人投資家の資金促す

米プライベートエクイティ大手のKKRが、一部の投資ファンドの運用に、高速で処理できるブロックチェーンで取引できるデジタルトークンを活用する。

このプロジェクトに参画したのは、アメリカ企業のセキュリタイズ(Securitize)。同社は、株式や債券、動産、不動産を裏付け資産とするセキュリティトークン(デジタル証券)を、ブロックチェーン上で発行・取引できるプラットフォームを開発している。

セキュリタイズの9月13日付の発表文によると、対象となるファンドはKKRが運用するヘルスケア戦略成長ファンド2号(Health Care Strategic Growth Fund II)。同ファンドの一部の証券をアバランチ上でトークン化し、別のファンドを組成する。

これにより、個人投資家はトークン化されたファンドを通じて、KKRのヘルスケア戦略成長ファンドに投資することが可能になるという。

KKRで米国市場の富裕層資産事業を共同統括するダン・パラント(Dan Parant)氏は、「ブロックチェーンは、従来の業務の非効率をデジタル化することで効率化し、個人の利用をより容易にする能力を持つ。この技術は、近未来の未公開株市場において極めて重要な役割を担う可能性を秘めている」と述べた。

KKRは約4710億ドル(66.9兆円)の資産を運用する、ニューヨークに本社を置くプライベートエクイティ企業(投資会社)。プライベートエクイティ会社は、多くの場合、企業を買収して、再生し、企業価値を向上させた後に株式を再上場させる。

KKRはこれまでに数十億ドル、数百億ドル規模の企業買収を行ってきた。日本では2014年に、パナソニックのヘルスケア事業を1650億円で買収し、その後に同事業の再構築と株式上場を進めた。

|編集:佐藤茂
|原文:Investment Giant KKR Puts Portion of Private Equity Fund on Avalanche Blockchain
|写真:KKRの本社があるニューヨークのハドソンヤード/Shutterstock.com