米労働省が13日に発表した8月のCPI(消費者物価指数)は前年同期比8.3%上昇、予想の8.1%上昇を上回った。7月の8.5%からは鈍化したが、引き続き高い水準。食品とエネルギー価格を除いたコアCPIは予想の6.1%上昇に対して、6.3%上昇となった。
ビットコイン(BTC)はこのニュースを受けて、24時間で9%超の下落となり、2万1000ドルを割った。取引高は20日平均の約7倍にのぼった。
イーサリアム(ETH)も約8%下落して、1600ドルを割った。取引高は平均を上回った。
経済カレンダー:予想を上回るCPIによって、FOMC(米連邦公開市場委員会)は次回の会合で積極的な利上げを設定すると予想される。利上げの確率を示すCME FedWatchでは、次回のFOMCで0.75%の利上げが行われる確率は82%。
12日、0.5%利上げの可能性は9%だったが、13日には0%となった。1%の利上げの可能性は18%となっている。
株式市場:株式市場も下落した。ダウ平均は3.9%、S&P500は4.3%、ナスダックは5.3%下落。株式市場は2020年5月以来の低迷期を迎えようとしている。
コモディティ:原油は0.2%下落、天然ガスは1.9%上昇。安全資産と見られているにもかかわらず、ゴールドは1.5%下落した。
ドルインデックス(DXY):1.22%上昇し、ビットコインとの逆相関関係を維持した。
アルトコイン:概ね下落。ポリゴン(MATIC)は8%、ポルカドット(DOT)は7%、アバランチ(AVAX)は10%下落した。
最新価格
●ビットコイン:20,272ドル、-9.5%
●イーサリアム:1,615ドル、-6.4%
●コインデスク市場指数(CMI):1,019ドル、-7.1%
●S&P500:3,932.69、-4.3%
●ゴールド:1,712ドル、-0.9%
●米国10年債利回り:3.42%、+0.06
テクニカル分析
ビットコインとイーサリアムは13日、下落した。だが暗号資産と株式市場の動きについて、混乱はほぼない。米CPIが予想を上回る8.3%上昇となったことは、投資家を全面的に失望させ、FRB(米連邦準備制度理事会)が積極的な利上げペースを継続する確率が高まり、結果的に資産が売却された。
米CPIは7月の8.5%上昇から鈍化したが、予想の8.1%を上回った。この2週間、FRBは40年ぶりの高水準にあるインフレを沈静化させることへのコミットメントを繰り返し表明。CPIはそのスタンスを裏付ける数字となった。
ビットコインとイーサリアムのチャートは、協定世界時13日12時(日本時間13日21時)の時間帯に急激に下落したことを示している。RSI(相対力指数)も売られすぎ領域となった。
ビットコインの下落はUTC17時頃に一時停止したが、イーサリアムの動きと比べると、説得力に欠けるようだ。
アルトコイン
●イーサリアムのPoWフォーク、Mergeの24時間後:イーサリアムブロックチェーンのプルーフ・オブ・ワーク(PoW)フォークは、Merge(マージ)の24時間後に行われる。@EthereumPoWが9月12日、ツイッターに投稿した。正確な時間は記載されておらず、情報は「カウントダウン形式で開始1時間前に発表する」としている。Mergeは15日と予定されている。
●NFTコレクションのDoodles、5400万ドル(約78億円)調達:評価額は7億400万ドル、資金調達ラウンドは米掲示版サービスReddit(レディット)の共同創業者アレクシス・オハニアン(Alexis Ohanian)のVCが主導した。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Market Wrap: US Inflation Data Roils Markets, Bitcoin and Ether Fall